太宰さんと元恋人。3 ページ23
「………そっか。そっか。はは。ははは…。…お前はAじゃない。」
治さんから銃を離した。そして此方に向けた。
「誰だ。偽者。」
国「A!」
彼が撃つ前に異能生命体である理久に彼の動きを止めさせる。彼の手に力が入り、放られた銃弾は肩を撃ち抜いた。痛みに声も出ずしゃがみ込んだ。治さんも同じ目線になる様にしゃがんでくれた。
太「大丈夫かい?まさか自分に銃を向けさせるなんて…。」
『えへへ、治さんは無効化しちゃうけど私は与謝野女医に治してもらえますから。』
太「だからって…痛いだろう?」
持っていたハンカチで傷を抑えられる。
『それの方が痛い…』
太「我慢したまえよ。」
国木田さんは理久と一緒に彼を抑えつつ、電話をし始めた。警察だろうか?
「何で。何でAは…。顔か?其奴の顔がいいからか?」
理久に腕を後ろに拘束されたまま彼が此方を睨みつけた。私は彼から目を離し、治さんを見つめる。
『顔、好きです。』
太「…Aちゃんにそう言ってもらえるのは嬉しいけれど、この状況ではそれじゃなくない?」
『顔も、頭がいい所も、やきもち焼きな所も、悪戯っ子な所も、いつも冷静な所も、たまに甘えたさんな所も、探偵社のソファで寝ている所も、それで国木田さんに怒られてしゅんとしている所も、私を命がけで守ってくれる所も、全て、全て大好きです。』
太「ふふ、ありがとう。…そう言う事だからもう関わらないでもらえるかな。まあこれから君の住居は暗いコンクリート造りの所になるだろうから関われないんだけどね。
……君にAは相応しくない。」
「何でお前が」
太「Aの婚約者だからだよ。今後子供もできるかもしれない、そんな時に君に来られると迷惑なのだよ。懐妊中に腹を撃たれでもしたら……彼女の幸せを奪っているのは君だ。君は自分の幸せしか脳にない。そんな奴が彼女を幸せにできるとは思えない。
安心してよ、Aは私が責任持って幸せにする。」
「俺は…Aと……もう全部ダメだったんだ…」
彼は涙を流した。治さんは私を抱きしめ、それが見えない様にした。私がまた「後悔」をしない様に。もう後悔なんてしないのに。治さんを傷付けようとした彼を可哀想だなんて思わない。むしろ
太「Aちゃん?怖い顔してる。…やっぱり痛い?」
『…痛いに決まってます。』
怖い顔、を見られない様に治さんの肩口に額を擦り付けた。
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外套
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月 - めぐ様の作品いつも楽しみに、見させてもらってます!太宰さんの一言一言でニヤけてしまいます(笑)これからも、番外編楽しみにしています!めぐ様、応援しています!! (2020年5月27日 21時) (レス) id: 40d6e906a3 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - お返事ありがとうございます!いつも素敵な作品ありがとうございます。このご時世なので体調はお大事にして下さいね (2020年5月16日 23時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - ニケさん» 読んでいただきありがとうございます!異能!たしかに番外編ではあまり触れていませんでしたね!教えてくださってありがとうございます! (2020年5月16日 18時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - シリーズ読ませて頂いてます!太宰さんと主人公のほのぼの感がとても好きで、ストーリーが面白いです!私は主人公の異能絡みの話を読んでみたいです!(主人公の異能の成長さや、狙われるとか…です!)厚かましくすみません。更新頑張って下さい!応援してます (2020年5月16日 16時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - ぽっくさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夜しか眠れないのなら集中してじっくり眠ってくださいね!(?)これからも応援よろしくお願いします(〃'▽'〃) (2020年5月11日 14時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月27日 17時