太宰さんと暑さ。2 ページ19
太「ご馳走様でした!」
『ご馳走様でした。』
ぱちんっと手を合わせる。食器を片付けようと重ねると、私がやる、と治さんが持って行ってくれた。お言葉に甘えてそれを頼み、私はテーブルを拭いた。
食器の当たる音と水の流れる音がする事から、洗い物までしてくれているのだと分かる。テーブルを拭いた布巾を持って、治さんの隣に並ぶ。
『ありがとうございます。』
太「いいえ。Aちゃんに作ってもらったのだから私が洗うのが当然。」
『…治さんはいい旦那さんになりますね。』
太「なんでそんな他人事なんだい?」
少し不機嫌そうな顔になる。
『いえ、そういうつもりでは。ただ、治さんが子供とお手伝いをしているのが容易に想像出来て…』
そこまで言って、自分で言ったのにも関わらず、段々恥ずかしさが込み上げてくる。
太「子供ねぇ?それはきっとAちゃんと私にそっくりなのだろうね?」
『…治さん。子供が女の子でも、私を1番にしてくださいね。』
そう言ってその場を離れる。早歩きでさっきまで昼食を取っていた所に戻り、膝を抱えて座った。
太「ちょ、え、言い逃げはずるいよ!」
治さんは慌てて、でもそのまま放って置く事もせず、ちゃんと洗いきってから手を拭いた。
太「ね、それはAちゃんも永遠に私が1番って事だよね?」
『…』
膝に顔を埋めたまま何も発さない。
太「ふふっ…耳真っ赤だ。」
『あ、暑いからです。』
太「ふふ、そうだね、暑さのせいかも。
…Aが私の1番で、2番なんていないさ。私のお姫様は君だけだ。
…こんな事を言えてしまうのも、暑さのせいかな?」
耳元でそう囁かれ、心臓がドキドキと破裂してしまうのではないかと思うくらいに暴れている。
『…ひあ!?』
太「うふふ、かぁわいい。」
かぷりと耳を噛まれた。顔を上げて、耳を抑えた。三角座りが崩れた。
太「ねぇ、今日は暇でしょ?
私、いい暇つぶし知ってるのだよ。部屋の温度は上がってしまうかもしれないけれどね。」
治さんの長い指がするりと腿を這った。
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外套
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月 - めぐ様の作品いつも楽しみに、見させてもらってます!太宰さんの一言一言でニヤけてしまいます(笑)これからも、番外編楽しみにしています!めぐ様、応援しています!! (2020年5月27日 21時) (レス) id: 40d6e906a3 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - お返事ありがとうございます!いつも素敵な作品ありがとうございます。このご時世なので体調はお大事にして下さいね (2020年5月16日 23時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - ニケさん» 読んでいただきありがとうございます!異能!たしかに番外編ではあまり触れていませんでしたね!教えてくださってありがとうございます! (2020年5月16日 18時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - シリーズ読ませて頂いてます!太宰さんと主人公のほのぼの感がとても好きで、ストーリーが面白いです!私は主人公の異能絡みの話を読んでみたいです!(主人公の異能の成長さや、狙われるとか…です!)厚かましくすみません。更新頑張って下さい!応援してます (2020年5月16日 16時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - ぽっくさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夜しか眠れないのなら集中してじっくり眠ってくださいね!(?)これからも応援よろしくお願いします(〃'▽'〃) (2020年5月11日 14時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月27日 17時