太宰さんと風邪。3 ページ16
今は治さんの足の間にいる形で座っており、後ろから抱きとめてくれている。
太「体熱いね、体温図ろっか。」
テーブルに置かれた体温計を取り、私の脇に挟む。そのまま治さんに体をぐったりと預けた。
『冷たい…頭ぐらぐらする…気持ち悪い…』
太「吐き気が辛そうだね。吐けたらいつでも吐いていいよ。」
そう簡単に吐けるものでは無い。それに、吐きそうな気持ち悪さではない。だからこそ辛いものがあるのだが…。
無機質な電子音がなり、体温計が取られる。
太「…まずいなぁ…ちゃんと寝よう。」
38.1度。通りで目の前がぐるぐると回ると思った。お布団にゆっくりと横たえられ、掛け布団をふぁさりと乗せられる。頭を撫でられ、髪をスルスルと梳かれる。
太「震えてる。寒い?」
『暑い…』
正直寒いか暑いかなんて分からない。体内の全ての温度感覚が狂ってる感じがする。
太「何か欲しいものがあったら言ってね。」
『治さん…』
太「え?」
『治さんが、ほしい』
太「…治ったら覚悟しておきなね?」
治さん冷たい手が目元に乗せられ、額にちゅっと唇を落とされる。それが心地よくて、意識を委ねた。
頬を撫でる感覚に意識を取り戻す。
「あ、起こしたか?」
『あれ?なんで…中也さん…?』
中「いちゃ悪ぃかよ。」
『そうじゃなくて…』
黒い格好の青年。いつもの外套と帽子は近くに綺麗に畳まれて置いてある。
あれ?治さんが介抱してくれたんじゃなかったっけ…?
中「どうした?気分悪いか?あ、水飲むか。」
1人で解決して水を取りにキッチンに行ってしまった。キッチンに向かう彼を上半身を布団から起こしてじっと見つめていた。グラスにお水が注がれる音がとぷとぷと耳に届く。それを持って戻ってくる中也さんもじっと見つめる。
中「ん?どうした?」
どうみても治さんには見えない。私の妄想?
中「飲まねぇのか?…飲ませて欲しいのか?」
ニヤリと悪戯に微笑む中也さんの手によって目の前に出された冷たいグラスを受け取った。
中「気をつけろよ?」
『はい』
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外套
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月 - めぐ様の作品いつも楽しみに、見させてもらってます!太宰さんの一言一言でニヤけてしまいます(笑)これからも、番外編楽しみにしています!めぐ様、応援しています!! (2020年5月27日 21時) (レス) id: 40d6e906a3 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - お返事ありがとうございます!いつも素敵な作品ありがとうございます。このご時世なので体調はお大事にして下さいね (2020年5月16日 23時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - ニケさん» 読んでいただきありがとうございます!異能!たしかに番外編ではあまり触れていませんでしたね!教えてくださってありがとうございます! (2020年5月16日 18時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
ニケ(プロフ) - シリーズ読ませて頂いてます!太宰さんと主人公のほのぼの感がとても好きで、ストーリーが面白いです!私は主人公の異能絡みの話を読んでみたいです!(主人公の異能の成長さや、狙われるとか…です!)厚かましくすみません。更新頑張って下さい!応援してます (2020年5月16日 16時) (レス) id: e4acd479d7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - ぽっくさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夜しか眠れないのなら集中してじっくり眠ってくださいね!(?)これからも応援よろしくお願いします(〃'▽'〃) (2020年5月11日 14時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月27日 17時