太宰さんへの信頼。 ページ49
『そこで乱歩さんと社長に相談し、解決してもらったんです。』
敦「ちなみに解決、というのは?」
乱「もう彼はAには近付けない。」
法的には近付けない。が、拘束されている訳では無い。近付こうと思えば近付けてしまうのだ。
乱「彼は友人からの信頼も、家族からの信頼もも、社会からの信頼も、もちろんAの信頼も関係も、全てを失ったんだよ。
Aはそれを自分が奪ってしまったと今も思っている。」
『…』
思ってる。彼はただ弱かっただけ。誘惑にも、不安にも。私がもう少し彼を理解してあげられれば…
乱「Aは優しすぎるんだよ。前に話してた両親の過保護の件のハッキリ言えない所もだし、其奴の事もそうだし、その親友の事も。」
…親友の事。
敦「そういえば…両親の件も探偵社と揉めたんですよね…親友とはどんな出会いだったんです?」
『問題児でごめんなさい…。
親友は、元々そういう性格の子で、あまり好かれてなくて。女性しかいない場で、一人でいて、寂しそうだったから…』
声をかけた事がきっかけで、何か共通の趣味があるという訳でもなかったが、一緒に街で服を見に行ったり、新しいコスメを見に行ったり、仲良くしていた。
『…私、どこから間違っていたんでしょうかね。』
与「アンタは何も間違ってないよ。」
ポスッと頭に手を乗せられ、髪をくしゃくしゃに乱される。
『わわわっ』
与「アンタが優しすぎて、他の奴が間違っただけだよ。太宰ともこんな関係になったんだ。もう安心していい筈だよ。」
心が綻んで、言おうとしてなかった事もついポロッとでてしまう。
『…えへへ、……親友が、治さんを、見たら、また…』
治さんが取られてしまう。そんなの嫌だ。けど、私には魅力がない。笑顔で話していた筈が、引きつった笑いになってしまった。
国「太宰はそんな奴じゃない。すぐ女性を口説いたり仕事を放っていなくなるが、根は真面目だ。特に、Aの信頼を捨てるような奴じゃない。」
国木田さんが、治さんを、褒めている…?
与「たしかに。最近太宰が女に声掛けてるのを見かけないねぇ。」
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外套
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月7日 18時