太宰さんとの朝。 ページ44
目を覚ます。まだ外も暗い、と寝返りを打つ。腰に腕が回っている事に気付き、固まった。
私、昨日、寝落ちした…。太宰さんの腕から抜けようとする。
太「んん…?おはよう?……え、早すぎじゃない?」
カーテンの隙間から注ぐ光の少なさに苦笑いをする彼。
太「もうちょっと寝よ?」
ほら、と腰の手が頭に周り、起き上がる事を許されない。寝ようにももう目が覚めてしまって寝られる気もしないし、起き上がる事も出来ない。
したがって、大人しく腕の中に収まったまま、太宰さんの顔をじっと見る。きれいな肌、癖の入ったふわふわな髪、シュッと通った鼻筋、長い睫毛。その睫毛に隠された高級猪口冷糖の様に艶めく瞳を想像するだけで心臓が騒がしくなる。そして昨日触れた薄く色付く唇…。
太「そんなに見られてると寝にくいのだけど?」
パチっと目が開かれ、望んでいた瞳が晒される。
太「…ちょっと?…何、目を開けたまま寝てるの?君はうさぎかな?…ではここが安全でないと…?」
うさぎは警戒心が強く、眠っている時も目を開けている。安全だ、と確信が持てる所だと目を瞑って寝るそうだが。そのことを太宰さんは言っているのでしょう。
太「どうしたの?体調悪い?」
『うううう』
布団に潜って太宰さんの胸に擦り寄る。
太「ふふふどうしたの?甘えん坊だねえ…」
『あったかい。』
太「んん……そうだね、あったかいね〜!」
ぎゅうっときつく抱かれる。目が覚めてしまっていたはずなのに、うとうととしてきてしまった。
『あ!!』
太「!?」
『今日の仕事の用意何もしてない…一回帰らないと。』
太「真面目だねえ。」
『あの、太宰さん?』
もう行くかい、と尋ねられて頷いた所、思い切り抱かれ、なかなか離してくれない。まだ起き上がれてすらいない。
太「Aちゃん補給。」
スルッと離される。
太「今はこれで我慢する。」
…太宰さん22歳児、可愛すぎます。起き上がって太宰さんの髪を梳いた。
『ではまた後で。』
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月7日 18時