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太宰さんと中也さん。 ページ30

太「全く…ここ数年で最低の一日だよ。」

中「何で俺がこんな奴と…Aがいるっていうから来たのによお…
…そういえば髪…」

『控えめの姫カットにしてもらいました。』

中「…似合ってんじゃねぇか。」


太「君に切られたせいでねぇ。野犬に噛まれたらしい首元もいいだろう?包帯、私とお揃いだ。」

そういえば、と首を撫でる。包帯の少しザラっとした感覚が手に纏う。


中「手前とおそろいは可哀想だ。…そうだ、手首は?治ったか?」

『はい、ある程度は。まだ包帯巻いてはいますけど。』

中「…そうか。」

太「Aちゃんに傷つけ過ぎ。君の家の葡萄酒飲み切るよ?」

中「なんで手前なんだよ!手前にやるくらいならAにやるわ。」

『赤は渋いのでいらないです。』

私を挟んで喧嘩する二人。二人してログハウスのドアの取っ手に手を伸ばし、ぴたっと止まる。

中「俺とAが「二人で」並んで歩いてんだ。隣を歩くんじゃねえ。」

太「Aちゃんと私の逢瀬に中也が後から来たんじゃあないか。それに、君とAちゃん、君の方が小さいじゃないか。男としてどうなんだい?」


私の背が高いから中也さんはこんな事言われてしまう…。

中「うるせえよ。」

あれ?怒ったりしないのですか?

中「Aにも失礼だろ。」

中也さん、本当に人の気持ちを考えている人です。本当に何故こんな人がポートマフィアなのでしょうか。


中「いいか?仕事じゃなきゃ一秒で手前を細切れにしてる。判ったら二米以上離れろ。いくぞ、A。」

太「あ、そう。お好きに。Aちゃんは私とだよ。」

『…私外で見張っているのでお二人でお願いします。』

中「危ねぇだろ。俺といれば安全だ。」

太「危険だよ。ミニゴリラ。」

中「ああ!?」

その後もギャーギャー言う二人を無理矢理ログハウスに押し込み、外を見回す。ログハウスの壁に背を預けながらしゃがむ。
暗い森。丸い月。それだけ。背と足に体重を分配し、三角座りのような体勢で膝に手を重ねて置いて、その上に顎を乗せる。


『はー…幽霊とか出てきたらどうしよう。』

ぼーっと暗い森をただ見つめる。

『…異能力、或る男。』

何も無かった私の真横の空間から青年が現れる。異能生命体、理久だ。

理「どうした?」

『暇だし、暗い。』

理「こわいんだね。」

『こわくない。』

理「じゃあ消えていい?」

『………こわい。』

太宰さんと触手。→←太宰さんとギルドの刺客。


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作者名:めぐ | 作成日時:2020年4月7日 18時

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