太宰さんとの出会い。 ページ36
__二年前。
私は探偵社に入社した。入社試験も難なくクリアし、初めて正社員として探偵社に向かう。後はこの扉を開けるだけ。…私、あがり症なんです。
震える手でドアノブを握ったまま、予定よりかなり早くに着いてしまったけど迷惑かもしれない、とか、入社が決定した時に選んでいただいた格好できたけれど似合ってないのではないか、とか、自身を緊張のどん底に落とすような思考ばかりが巡る。
やはり一度連絡を入れてから…
「ご依頼ですか?」
そんな声にぱっとドアノブから手を離し、声の主を確認する。…このような方いましたでしょうか?
とても美しい顔立ち、
キメに細かい美しい肌、
キラキラと光を反射して輝く鷲色の髪、
すらりと背が高く、
砂色の外套から見える白く長い指は綺麗に爪まで整えられている。
まさしく美しい青年。
『あ、えっと、』
こんなにコミュ障を呪ったことはあったでしょうか。
「なんて美しい。」
……あれ、私、口に、出した…??
美しい青年は片膝を地につけ、私の手を取る。
「美しい!
雪のように白く儚い、しかしどこか安心感を感じる優しい瞳、それでいてミステリアスさを纏う、まるでサンカヨウのようだ。
サンカヨウの花言葉をご存知ですか?
「親愛の情」、そして「幸せ」。貴女に会えて本当に幸せだ。」
水を得た魚のようにペラペラと話す美しい青年。
「是非私と心中を」
「太宰ぃぃぃぃ!!!」
『ひぃ!?』
探偵社の扉がドパンッと開き、眼鏡の男性が現れる。
「入社早々何をしている!!…ん?相川じゃないか。」
『あ、国木田さん。お、おはようございます…。』
国「嗚呼おはよう。
太宰、彼女だ。お前が来なかった間に入社したと言っていた…」
『相川です。相川Aと申します。』
太「君が!Aちゃんというのだね。私は太宰、太宰治だ。」
爽やかな笑顔で名乗る太宰さんは絵画なのではないかと疑うほど。
太「にしてもいい名前だね、愛川。川を愛する。入水にぴったりの名前だ!やはり私と心中を…」
国「だからやめんか!!」
これが私と太宰さんとの出会い。
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麗(プロフ) - 30ページ 敦を「僕のせいで を は不要かなと思います (2021年4月11日 8時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
一沙 - 夢主、重症と見たり (2020年4月9日 14時) (レス) id: c108e162c7 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 星来さん» ありがとうございます!更新はできるだけ頑張ろうと思っています、一緒にキュンキュンしましょう〜! (2020年3月25日 16時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
星来(プロフ) - 今最高にハマってます…文スト作品の中でここまでキュンキュンしたの初めてですわぁぁぁ更新心から応援してお待ちしてます!! (2020年3月25日 10時) (レス) id: 5ba0477dc2 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - そるてぃーらいちさん» ありがとうございます!妄想にお付き合いいただき感謝です(*’ω’*) (2020年3月23日 19時) (レス) id: 6e196d0d59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めぐ | 作成日時:2020年3月13日 1時