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それからわたしは"あのひと"のことを見つけては、
心臓の音が激しくなっていた。
中学生、高校生のわたしが時間をかけて知ったことは、
あのひとはお年寄り、妊婦さんに優しい。
つり革につかまっては、コクコクと眠りに入る。
いつもイヤフォンを付けてて、音楽が好き。
そして、、
彼女がいる。
わたしが高校生になりたての頃、
いつもの"あのひと"の隣には
小柄で華奢な可愛い彼女がいた。
あのひとは今まで見たこともないような
くしゃっとした顔で彼女に笑いかける。
薬指にはおそろいのリング。
わかっていた。
話したこともないひとが6年想い続けても叶わない、なんてこと。
初めて"あのひと"と席が隣になったこともあったな
大学一年生の時、
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?「♪〜んんんん〜♪ふふ〜♪」
え、お兄さん、隣で歌ってる。
すっごく上手、、てかこの曲、、
「負けない心、、」ボソッ
?「え、知ってるの?」
イヤフォンを付けているから聞こえていないと思っていたわたしの声が、聞こえていた。
?「今日、イヤフォン忘れちゃって、
俺の毎日に音楽がないなんて生きていけないからさ
つい、歌っちゃった。うるさかった?」
そう言って笑う"あのひと"。
初めて笑ってもらえた、初めて喋った。
「全然うるさくなんてないです!
すごく上手だし、知ってる歌だし、、」
?「ありがとう。
歌褒めてもらえるの最高に嬉しい」
そう言って笑う"あのひと"の笑顔に、
引きずり込まれそうだった。
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なな - とても感動しました! (2019年3月14日 1時) (レス) id: 01e4e472a4 (このIDを非表示/違反報告)
hrmt.k ..(プロフ) - ゆなさん» ゆなさん、コメントありがとうございます!そう言って頂けてすごく嬉しいです。満足していただける結末になるかわかりませんが、精一杯書かせていただきますねo(^_^)o (2019年1月13日 5時) (レス) id: b80cc3b60b (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - 読ませて頂きました。続きが気になって仕方がありません。楽しみに待ってます。 (2019年1月13日 3時) (レス) id: 1e3e43fc2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:hrmt.k .. | 作成日時:2019年1月11日 10時