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「見合いは明日。挙式は明後日執り行いたいと思っております。お相手のプロフィールを簡単に纏めておきましたので、詳しくはこちらをご覧下さい」
「……は、はあ」
「一応言っておきますが、拒否権はありません。そして、相手も同じ境遇の人間……神だということも、理解しておいてください。では」
「えっ、あのちょっと……」
女の子は終始、ひざの神という単語が頭から離れなかった。百本譲ったとしても、百万歩譲ったとしても、神という存在を真っ向から否定する気は無いので、そこは良いとしよう。だが、ひざの神とは何だ。ひざに神なんて居るのか。せめて全知全能の神とか、もう少しまともそうなものでも良かったのでは。
──募るばかりの疑問を解決する術もなく、時というのは残酷に流れてあっという間に明日が今日になった。
宣言通りに出没した銀髪の男は、不思議な光を帯びた大きな本を抱えて、玄関先で堂々と開く。瞬く間に解き放たれた閃光が、女の子を包んだ。
「こ、此処は」
「此処は古の見合いの場です。神は代々、ここで見合いを行ってきました」
「は、はあ」
「さあ、そろそろ時間です」
重たそうな腕時計から視線の向きを変更すると、和室の襖がスッと音もなく動き、V字の黒い前髪の男が見える。コイツが見合い相手かと眉間にシワを寄せれば「こちらです」と、自分の背後に立っていた女性を目の前に案内した。
カラフルな縁のサングラスと、白くて大きな予防マスクを付けた女は小さく会釈をして座布団の上に座り込む。だが、変質者ぶりは発揮したまま外す様子は無かった。
「彼女は、天津飯の神です」
「……どうも」
「そしてこちらは、ひざの神です」
「……ど、どうも?」
「さあ、後はお好きに」
「(嘘だろ!?)」
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なゆなゆ(プロフ) - リクエストです。もうすぐ誕生日なので辰馬で作って欲しいです! (2018年7月27日 12時) (レス) id: 299a5e5ef0 (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 堕天使さん» 草。 (2018年7月14日 9時) (レス) id: 6e4da90966 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - おとさん» 泣いた (2018年7月14日 7時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - シャープ♯さん» いえいえこちらこそリクエストありがとうございました!またいつでもお待ちしているので、気軽にどうぞ!!そして、お誕生日おめでとうございます(いつか知らない)幸せな毎日を遅れることを祈っております! (2018年7月14日 7時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 堕天使さん» そしてすき。大好き。愛してる。 (2018年7月13日 20時) (レス) id: 6e4da90966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2018年6月20日 16時