検索窓
今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:27,138 hit

39.あんぱん一個分の極意 ページ39

.
☆ 山崎side ☆



「あんぱんの個数でグレードが変わる張り込みの極意を教えてあげるけど、どうする?」

「まだ寄越せと?」

「そうは言ってないわよ。でも君がもっと有能な侵略軍になって上を目指したいのであれば、協力するって話なだけで」

「どう言っても意味は同じですよ」



蕎麦を食べに向かった桂を見失わないように注意しながら、地面に置いていたレジ袋の中から未開封のあんぱんを一つ取り出して彼女に渡す。
すると「一個分の極意で良いのね?」と再確認。適当に頷いておくと「敵の背中に視線を向けず、足元を見ておきなさい」とドヤ顔で吐いた。



「いや、それはもう知ってるんですが」

「だってあんぱん一個分だもの、そりゃァ誰でも知ってる極意になってしまっても文句は言えないわよ」

「ハァ・・・・・・面倒なのに絡まれた・・・・・・」

「私だけが知ってる極意を教えて欲しいなら、最低でも百個は渡さないと無理ね」

「図々しいにも程があるわ!!」



要するにこの人は、あんぱんが食べたいだけだ。
アンパンマンが居てくれれば引き渡すのに、と到底無理な願いすら頭を過ぎる。電柱の影にひっそりとある足元のレジ袋には、残り三つのあんぱんが入っている。

これ以上仕事の邪魔をされても困るだけなので、袋ごと彼女に押し付けて「これで勘弁してください」と桂を追う。だが「三つ分の極意ね」と変な認識をされた。



「違います。極意は要らないんでそれで解放してください」

「しょうがないからおまけして四個分の極意を教えてあげるわよ」

「どこら辺におまけしたんですか、一個しか違わないじゃないですか」

「あんぱん一個の差がかなり大きい事を知らないようね」

「知る訳ないです」

「じゃ、耳たぶを削いでよぉく聞きなさい」

「削ぐ意味が分からないんですけど」

「綺麗に削ぎなさいよ」

「もうツッコまなくていいですかね」



彼女が言いたいのは耳の穴をかっぽじって、だろうが最早ツッコミを入れる時間すら惜しい。少しでも多くの情報を副長へ報告し、説教を免れたいのだ。
無視して足を動かしてみると「絶対に目を合わせちゃいけない、これよ」と再びドヤ顔で俺の前へ立った。



「さっきよりグレード下がってません!?」

「耳たぶを削がないから」

「本気で言ってたの!?」



大声を出したせいで、周囲の視線がこちらへと向けられている。そして、目の前に居た筈の桂も見えなくなっていた。



.

40.爆発寸前→←38.馬鹿ばかり



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
55人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

堕天使(プロフ) - 涼羅@今までありがとうございました。さん» ご指摘ありがとうございます!調べたところいくつかあるようですね!漢字は難しい……!カタカナとして直しておきます!!笑 (2017年10月12日 8時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!!時間がある時にでもまったり読んでやってください!笑 (2017年10月12日 8時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)
涼羅@今までありがとうございました。(プロフ) - 1話のこたつっていう字、違いますよ。炬燵ってなってますけど、火燵ですよ☆ (2017年10月11日 23時) (レス) id: 74cb15c92b (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - いいですね新作!とても面白そう!読ませていただきます!!! (2017年10月11日 21時) (レス) id: 12c1829223 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - 乱スナイプさん» ありがとう!!2巻も3巻も近々出す予定なんで、是非見てね!!笑 超頑張る横浜ランドマークタワー!! (2017年10月11日 18時) (レス) id: 725743dc16 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:堕天使 | 作成日時:2017年10月11日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。