好きという感情【山崎退】 ページ9
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山崎退/監察先輩後輩
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「Aは山崎に指導受けろ。山崎、頼むな」
真選組に入隊した私は、副長から言われたそんな言葉で山崎先輩の下につくようになった。
優しく、丁寧に仕事を教えてくれる先輩。とても過ごしやすく充実した日々を送っていたのだが。
それは突如崩れ去ったのだった。
「す、す・・・!?」
「うん、俺はAちゃんが好きだよ」
書類に判を押してもらおうと立ち寄った部屋で、突然そんな事を言われる。
言葉を失って口をパクパクとさせていると、ぎゅっと身体を抱き締められた。
きっとこれは何かの間違いだ、と中々現実を見ない私に「聞こえる?」と呟く先輩。
「俺、今凄いドキドキしてる」
先輩の胸の中に包まれた私。確かに激しく揺れる鼓動の音が聞こえる。
「本気だよ」と笑っている先輩の顔を見上げてみると頬には熱を帯びていた。
「せ、先輩、でも・・・っ」
「ん?」
「私・・・達は、上司と部下・・・で、」
私は恋というものを生まれて一度も経験した試しが無い。だから、どうしたら良いのかわからない。・・・好き、という感情が、わからないのだ。
先輩は微笑むと私を離し、じっと目を見つめ、そして。
「Aちゃんと居るとね、『あぁ、この子とずっと一緒に居れたら良いな』って思えるんだ」
「・・・っ」
「それが好きって事じゃないかな」
こんな時でも優しく教えてくれる先輩。
今一度心に聞いてみると、私も先輩と一緒に居たいんだな、と感じた。
「私も、ずっと一緒に居たいです。先輩と・・・、ずっと一緒に居たいです・・・!」
その言葉を聞いてふぅ、と一息つくと、先輩は私の唇に自身のそれを重ねた。
顔が熱くて、爆発してしまいそうで、恥ずかしくて、でも嬉しくて。
色々な感情が心をかき乱して、ぐちゃぐちゃになりながらも、目を閉じていた。
「せんぱ、ん・・・っ」
重なっては離れる唇。何度も何度も触れ合う。
初めて体験するキスにクラクラしながら先輩に合わせる。
今まで見た事のない先輩がそこには居て、とてもかっこいい。
「あの・・・先輩・・・、」
「ん?何?」
「私、先輩が・・・好き、です」
「・・・、」
目を見開いて驚くと、顔を赤くし、目を逸らす。そして、「いやぁ・・・参ったな・・・」と頭をポリポリと掻いた。
「どうしたんですか?」
「ううん、なんでもないよ、」
「・・・教えてくださいよ」
「いやいや、気にしないで」
「・・・?」
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サド助 - 堕天使さん» じゃあお言葉に甘えて…また沖田で3zがいいです!!主人公は前回と同じ感じでokです。神楽にヤキモチ妬く主人公ちゃんが見たいです!何度もすみません!いつでもいいですので!!><;; (2016年11月6日 8時) (レス) id: b26b61556b (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - サド助さん» 良かったです!!またいつでも待ってます!! (2016年11月5日 10時) (レス) id: 2508faeddd (このIDを非表示/違反報告)
サド助 - 堕天使さん» あわわわわ!私こそ急がせてしまってすみません!!><すごく素晴らしいお話が出来てて感動しました!キュンキュンでした!いつもありがとうございます!!またリクします!!(^∀^ゞ (2016年11月5日 8時) (レス) id: b26b61556b (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!嬉しいですヽ(・∀・)ノ (2016年11月3日 22時) (レス) id: 2508faeddd (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 銀さんの、私も好きです( ̄▽ ̄) (2016年11月3日 21時) (レス) id: 65681d0734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2016年10月10日 19時