いつまでも弟【土方十四郎】 ページ8
.
土方十四郎/姉弟/武州から
.
☆ 土方side ☆
「総くーん!会いたかったァ!」
「げ、Aさん。来てたんですかィ」
「ちょっと遊びにね。総くん元気にしてるかなぁと思って」
実の弟が目の前にいるというのに、一切コチラを見ない姉、A。
それはそれで別に良いのだが、ここまで来ると流石に呆れる。
「Aさん、土方コノヤローがこっちを羨ましそうに見てやすぜ」
「あら十四郎いたの」
「最初からいた」
「全然気付かなかったわ」
小さい頃から確かに総悟にベッタリだった。今のように抱き着いては離さず、俺なんか見えていないかのように。
すると総悟は「Aさん聞いてくだせェよ」と話し出す。何やら嫌な予感がし耳を傾けていると。
「土方コノヤローはいっつも俺をいじめるんでさァ。俺何もしてないのに」
「おい総悟。それは語弊があるだろ」
「ダメじゃない十四郎。私の総くんにそんな事しちゃ」
「だから俺は何も・・・」
そう言いかけた時、近藤さんが現れる。姉に軽い挨拶をし少しの会話を弾ませると「ここは姉弟二人きりにしてあげようじゃないか」と総悟を連れて部屋を出て行った。
部屋に二人きりになり、暫し沈黙が流れる。
「十四郎、わかってるからね」
「何がだよ」
「総くんの言ってたこと。昔からそうだったじゃない。総くんが十四郎に悪戯して、十四郎が怒る。」
「・・・」
「お姉ちゃんはちゃんとわかってるんだから!」
立ち上がって俺の隣に来ると、無駄にスタイルの良い身体を押し付けて抱き締められる。
この三十路女が、なんて心では悪態をついてしまっても、昔の記憶が鮮明に蘇った。
いつも見てくれていた姉の存在が、俺をどこか安心させていたのだ、と。
「離せよ」
「またまたぁ、照れちゃって♡」
「照れてねェよ」
「顔が赤いぞトシくん!」
「赤くねェって」
「可愛い奴め♡」とハートマークをつけて俺を強く抱き締める姉に再び呆れていると、「煙草の匂いがするね」と身体を嗅いで言う。
Aと最後に会った時は煙草を吸っていなかったから新鮮なのかもしれない。
「大人の男になったのね・・・お姉ちゃん悲しい」
「何でだよ」
「離れて行く気がして。このまま結婚とかされたら私の十四郎じゃなくなるじゃん」
「元々アンタのじゃねェけど」
「それは悲し過ぎる!絶対嫌だ!」
「うざい・・・」
.
126人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サド助 - 堕天使さん» じゃあお言葉に甘えて…また沖田で3zがいいです!!主人公は前回と同じ感じでokです。神楽にヤキモチ妬く主人公ちゃんが見たいです!何度もすみません!いつでもいいですので!!><;; (2016年11月6日 8時) (レス) id: b26b61556b (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - サド助さん» 良かったです!!またいつでも待ってます!! (2016年11月5日 10時) (レス) id: 2508faeddd (このIDを非表示/違反報告)
サド助 - 堕天使さん» あわわわわ!私こそ急がせてしまってすみません!!><すごく素晴らしいお話が出来てて感動しました!キュンキュンでした!いつもありがとうございます!!またリクします!!(^∀^ゞ (2016年11月5日 8時) (レス) id: b26b61556b (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!嬉しいですヽ(・∀・)ノ (2016年11月3日 22時) (レス) id: 2508faeddd (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 銀さんの、私も好きです( ̄▽ ̄) (2016年11月3日 21時) (レス) id: 65681d0734 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:堕天使 | 作成日時:2016年10月10日 19時