夏祭り【沖田総悟】 ページ11
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沖田総悟/3z/幼馴染み/片想い
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「いやぁ、まさか総悟が来てくれるとは思ってなかったよ。アンタなら予定無視して来ないと思ってたから」
「暇潰しに来ただけでィ」
「そ、そか」
見慣れない浴衣姿の筈なのに、何も褒めてくれない事に若干悲しみながら人混みの中を歩いて行く。風船ガムを膨らませている私服の総悟は、もう場に飽きている様子。
「総悟!な、何か気付く事ない?」
「気付く事?」
彼の前に立って回って見せる。道行く人には邪魔に思われるかもしれないが、そんな事は今気にしていられない。大問題なのだから。
「どうだ!」と決めポーズを取ると、彼は口を開いた。
「太った?」
「違うゥゥゥウウ!」
「うるせェな」
「だって違うんだもん!不正解なんだもん!」
確かに最近ちょっと太ったけども!それは今気付く事じゃない!
私は呆れて「ゆ・か・た!」と言って見せた。すると「あ、浴衣な」と興味が無さそうに呟く。
「もー・・・」と頬をふくらませていじけていると途端に腕を引かれる。
「えっ」
急に近くなった総悟との距離。冷静な心と反して心臓はバクバク言ってどうして良いかわからなくなっていると。
「危ねーだろ」
その言葉にようやく気付く。前を歩いていた人とぶつかりそうになったんだ、と。
決して彼が私を意図的に抱き締めようとした訳では無いのだ、と。
「な、なるほど・・・ごめん」と謝って体勢を戻すと、再度歩みを進める。
「何か食べよっか」
まだうるさく鼓動を鳴らしている心臓を紛らわす為、出店の何かを食べようと提案する。
総悟は「じゃ、焼きそば買ってこい」と命令し、断ろうとするも「買ってこい」と言う。圧に押され渋々パシられた。
「お待たせしました、どーぞ」
苛立ちを抑えながら焼きそばを渡すと、「気が利くじゃねェか」と食べ始める。
そして思う。・・・何でこんな意地悪で自分勝手な男を好きになっちゃったかなぁ、なんて。
すると、「クソサドコルァ何処見て歩いてんだヨ!」と言う聞き慣れた可愛らしい声が。
「あ?お前が小さ過ぎて見えねーだけだろ。人のせいにすんな」
「テメー私を怒らせたアル。覚悟しろコノヤロー!」
始まった喧嘩。いつものやつだ。
でも私は止めに入ることも出来ない。ただただ、ヤキモチを妬くのみ。
ホロリと涙が零れそうになる中、焼きそばと一緒に買ったジュースを飲んだ。
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サド助 - 堕天使さん» じゃあお言葉に甘えて…また沖田で3zがいいです!!主人公は前回と同じ感じでokです。神楽にヤキモチ妬く主人公ちゃんが見たいです!何度もすみません!いつでもいいですので!!><;; (2016年11月6日 8時) (レス) id: b26b61556b (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - サド助さん» 良かったです!!またいつでも待ってます!! (2016年11月5日 10時) (レス) id: 2508faeddd (このIDを非表示/違反報告)
サド助 - 堕天使さん» あわわわわ!私こそ急がせてしまってすみません!!><すごく素晴らしいお話が出来てて感動しました!キュンキュンでした!いつもありがとうございます!!またリクします!!(^∀^ゞ (2016年11月5日 8時) (レス) id: b26b61556b (このIDを非表示/違反報告)
堕天使(プロフ) - ナナさん» ありがとうございます!嬉しいですヽ(・∀・)ノ (2016年11月3日 22時) (レス) id: 2508faeddd (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - 銀さんの、私も好きです( ̄▽ ̄) (2016年11月3日 21時) (レス) id: 65681d0734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:堕天使 | 作成日時:2016年10月10日 19時