(d！) かんきんLIVE。〈ヤンデレ〉 (ページ5)

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扉が開かれ、壁に重心を掛けている鋭い雰囲気の男性。
泣いていた彼が一気に私から離れて目を袖で拭っていた。鼻をすする音が聞こえたが、聞こえないふりをして逃げ出す方法を考える。

「残念ながら、此処に窓は無い。逃げるなんて考えない方が自身の為だ。」

思考を見透かされているような言葉に、肩がびくりと跳ねる。
それを見て彼は鼻で笑い、ベッドに警戒して座っている私に手を差し伸べた。

それを、取っては行けない気がした。

「…着いていきます。」

「残念だ、合法的に手繋ぎが出来ると思ったのにな。」

彼が足を進めるので、私も足を進めた。
静かにショッピという人も後ろから着いてきていた。

廊下は広く、長く、まるで高級な館の様だった。
洋風な内見に、有名な絵画達が並んでいる。キョロキョロと見回していると、いつの間にかショッピが隣に居て目が合ったので真正面だけを見る事にした。

「着いたぞ、ショッピ…扉を開けてくれ。」

「なんでグルッペンさん迎えに来たんですか…開けられないのに。」

重々しい扉に手をかけたが、ビクともしなかったのでショッピに変わるグルッぺン。
カタカナばかりで頭がぐるぐるしてきた。