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ギシ、と鈍い音が床から鳴り心臓が思わず跳ねる。
部屋は長い間使ってなかった様で少しホコリっぽく、ゴミ袋で包まれた玩具や人形、大きい家具などが置いてあり倉庫だと察する。
直線を向けば出口の扉が見える。よし、此処を超えれば…!!!
一歩踏み出す前に、ガーと少し不快感があるイビキが聞こえた。
勿論それは人の物で大量のゴミ袋の中に人が堂々と大の字で寝ていた。キシキシとした髪の毛がビニール袋に擦れてカサカサと音が鳴る。赤と黒のストライプのTシャツに黒色の半ズボン。背丈がでかいだけで小学生っぽく感じてしまう。
とりあえず歩くしかない…どうせ爆睡してるし。
そろそろと歩きドアへと近づいていく。あと少し、あと少し!
「ァー…よぉ寝た、寝起きに美女は格別やな。」
その声にドアノブに手をかけようとした手を止めてしまった。
目をパチクリしながら後ろを振り向くと、月明かりに照らされた金髪の男が居た。先程の寝ていたはずの。
カチ、とライターを付けて煙草を加えて火をつける。
「さも絶望みたいな顔してんな、怖いんか?」
「や、やめて、こないで…」
「俺が怖いんか、逃げたのが悪いんのにな。」
アーッハハ!!と超絶高音が響きわたり耳を塞いでしまう。
怯えながら扉に背中をつけると長い足で一気に距離を詰められる。
嗅いだこともない煙草の匂いに満たされて噎せてしまう。
「なぁ、黙って戻ったら報告せぇへんよ。」
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- 大好きです…! (10月29日 22時) (レス) id: a42b5a587f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:A。 | 作成日時:2023年10月7日 18時