分かったフリ (ページ15)

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「、、、いつ帰ってきたの」

「さっき」

「今何時？」

「、、5:18」

「、、は？朝？」

「だね」

「いや、だねじゃなくて
昨日は？何してたの？」

「ん？別に、好きなことしてた」

「好きなことってなんだよ」

「何でもいいでしょ」

「何でもよくないから聞いてんだけど」

「、、、、くせに」

「は？」

「自分はいつも帰ってこないくせに
何でそんな人に言わなきゃいけないわけ」

「、、お前それ本気で言ってんの？」

「本気じゃないと言わない」

私の言葉は間違ってない

本気じゃなきゃ言わない

でも本当に言いたいことは違う

喧嘩するために帰ってきたんじゃないでしょ

もう拓弥のこと好きか分かんないよ

愛想なんてどっか行っちゃった

でも会えないと寂しいって思うの

都合よく遊ばれるだけでも会えるならいいとか思う日だってあるよ

頭ではそんなだらしない関係続ける価値ないって分かってるけど

それでも拓弥が欲しいって思っちゃうんだ

思ってる沢山のこと

逃げないで一個でも言えよ

もう自由奔放すぎる思想は良い方にも悪い方にも飛び回って
理性じゃ抑えられなくて苛つくけど

言わなきゃ何も伝わらないから

何も変わらないから

「昨日、稜雅のとこにいた」

口を開いた

「それで、話、、」

「は？」

「、、えっ？」

「何で」

「だから、話を、、」

「俺がどんな気持ちで待ってたか分かってる？」

「、、」

「昨日何の日か分かってるよな？」

作ってない本当の自分

やっと絞り出した自分を一瞬で握りつぶされる

もう無理だ

「聞いてんの？」

「聞いてるよ」

「なんか言ったら」

「『どんな気持ちで待ってたか分かってる？』」

「どういうこ、、」

「さっき拓弥が言ったことそのまま返す」

「何言って、」

「あともう1個

じゃあね」

そのまま何も持たずに踵を踏み潰して靴を履いた