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「最近会ってないな」の感情も忘れる頃
拓弥は帰ってくる
「俺のこと忘れてんじゃねぇよ」とでも言っているようなタイミングが憎たらしい
会っていなかった時間を埋めるように
むしろ溢れさせるように
身体の中で存在を感じさせられる
溢れて交わる吐息、声
もっと深く重なろうとする身体
締め付ける腕はどんどんきつくなり
2人の揺れは大きく、重たく、遅くなる
核心を突かれる度に震える肩は見逃してもらえなくて
動きが止まって髪を撫でられる
優しい笑顔を向けられ終わりを感じた瞬間
目の前にはもう違う人がいた
真顔になって目線を逸らすその人の綺麗な横顔に見惚れていると
1番奥に押し付けられた温もりに全身が痺れる
少しも動かないその熱は手を、足を震わせ
1つの抵抗も許してくれない
本当に憎たらしい
私は玩具ですかって
歯を食いしばったまま
意識を手放した
何もかも自分勝手なくせに
いつまで経っても離れられないのはなんでなのかな
放っておかれて、遊ばれて
傷つくだけなのに
もう恋心も枯れたのに
この家を出て行かないのはなんで
悔しい
強気なくせに反抗できない自分が嫌だ
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作者名：だしの素 | 作成日時：2019年1月4日 19時
