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吐息と一緒に耳にかかったその言葉は
寝言にしてはしっかりした発音で
無意識に身体に力が入った
目は開かないまま祐基の足が固まった私に絡む
すぐにめくられるパジャマは心許なくて
布を介さずに素肌を撫でられる
これまで生きてきて感じたこと無いほど心臓が強く脈打って痛い
祐基が私に深く触れるほどめまいと浮遊感に襲われて
もう何が何だかわからない
どうしちゃったの?
起きてるの?
怖くて動けない
声すらも出てきてくれない
やっと発せた音は
短く小さな唸り声が混ざった泣き声だった
その声に気付いたのか祐基がやっと目を覚ました
意識を取り戻した瞬間の態勢と私の姿を確認して飛び起きた祐基の顔は
驚きと恐怖と悲壮感がぐちゃぐちゃに混ざったようで
「ごめんっ、、、」
そう言い残して逃げるように家を出て行く
1人になってからはしばらく思考が停止していて
ただぼーっと祐基の残り香の中で壁を見つめていた
うまく呼吸のリズムがとれなくて
香りを払おうとベランダに出ようにも動けない
決して嫌だったわけじゃ無い
ただ怖かった
こんなに長く一緒にいるのに
私の知らない祐基がいること
大好きだって感情があっても
祐基が欲しくてたまらなくても
私をどうにでも好きにしてって思ってても
だめだった
私が思うよりもっとずっと
祐基は男性だった
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ネオンガール(プロフ) - だしの素さん» わかりみ (2018年12月17日 16時) (レス) id: 18c4f82065 (このIDを非表示/違反報告)
だしの素(プロフ) - ネオンガールさん» いつのまにか感動物語になっておる (2018年12月16日 21時) (レス) id: 7df933fade (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - だしの素さん» 噛まれたい()直線に見えるけど実は少しずつ曲がっていく村田…泣く… (2018年12月14日 17時) (レス) id: 18c4f82065 (このIDを非表示/違反報告)
だしの素(プロフ) - ネオンガールさん» こじらせてる村田書きたかったのよ、、真っ直ぐすぎて曲がっちゃうの愛おしい、、 (2018年12月14日 12時) (レス) id: 7df933fade (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - だしの素さん» 吠えてくれたら鼻血モノよ、笑 (2018年12月12日 20時) (レス) id: 18c4f82065 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だしの素 | 作成日時:2018年10月15日 23時