妹じゃなくて

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ふせんに書かれた通りしたおかげで
3回目のアラーム6:40に起きられた



身支度を整えて家の鍵を閉めた







特に何も起こらない日常は
味気なくてあっという間だけど長ったらしくて

誰かここから連れ出してくれないかなって考える






「誰か」は願わくば祐基がいいなぁなんて



わがままよくないよね








ツアーが始まる前にもう1回くらい会えないかなって思っていたのも束の間


あの日以来会えないまま超特急のツアーが始まった







祐基は忙しくなることを心から喜ぶ人だから


忙しくなって会えないことを悲しんでたら祐基に失礼だよね





だから



「頑張ってね！」



「応援してる！」



って言葉をかけるけど

ちゃんと気持ちだってこもってるけど

本当は








「会いたい」




って言いたい









「ありがとう頑張る！！」



「お互い頑張ろう！！！」



じゃなくて







「今から会おう」




って返信を待っちゃう






絶対自分の口から言えないこの気持ちを
勝手に伝えてくれちゃうおせっかいな神様がいるなら





出番今です。









そうやってぐるぐる考えながら帰る雨の夜道は
1人で歩くには長すぎて
強く吹く風のせいで傘をさしていても濡れるし



もう傘いらないや 雨にうたれたい



この雨と一緒に
寂しい気持ち全部流れていっちゃえばいい









「風邪ひく」









冷え切った身体を溶かすような熱い体温が
ずっと聞きたかった声と共に
私の全てを後ろからふわっと優しく包んだ




安心したからか嬉しかったからなのかは分からないけど
涙が雨と混ざりながら頬をつたったのは覚えている







私の意識はそこで手放された

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