【BMSG】生まれ直したら“ついてた”【BE:FIRST】

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俺の幼馴染は天才だ




本人がかなりの気分屋の飽き性である欠点を除けば、完璧と言える程の天才



普段のぼんやりした印象から想像もつかない程の表現力のある歌とダンスを魅せる



ハイトーンもロウトーンも自由自在に使い分けて、透明感のある綺麗な声を出す喉が心配になるようなエッジボイスでがなる歌


絡みそうな複雑なステップを軽快に踏んで、男にしては細くて柔らかい身体をしならせる踊りは、指先から爪先まで見逃せないほど綺麗で


Aが体現する歌と踊りは、それ自体が1つの芸術作品みたいに綺麗なんだ




その才能は本当に小さな頃からあった


俺達が自分の足で立って歩けるようになった時には、もうAは踊っていた


音も、歌詞も、何も無くても踊っていて


なんで踊ってるのかを聞けば、｢なんとなく｣

何回聞いたってその言葉しか帰ってこなかった



それがなんとなくじゃなかった事を知るのは、小学生に入ってからだったけど



それ以前からもただAと踊りたくて、強引に連れ出してはいたけどそれからは更に引きずり出す様になった




Aは、喜怒哀楽の表現が薄い

基本的にでかい声で笑う事もないし、何かで泣く事も、怒る事も無い

ふざけ合って頬笑みを浮かべることはあるし、通常の顔が少し口角上がってるか眠そうな顔だけど

それは流石にって事でも、ぽやっとしているから俺の方がキレて止められた事だって何回もある


Aは何も感じてない訳じゃない
ちゃんと薄くても喜怒哀楽がある






ただ、胸にある感情の表現方法が分からない

だから、歌で、踊りで、それを発散している



踊りが無いと笑えない

歌が無いと泣く事ができない

踊りが無いと怒れない

歌が無いと寂しさを口に出せない





そう言って薄く笑っていたAを今でも覚えてる

聞いた時は無性に悔しくて、苦しくて、俺が大泣きしてAがすげえ慌ててた





器用な癖に肝心なところは不器用で、自分じゃどうしようも出来ないこいつを


こいつの心の為にも、こいつも才能の為にも


このままで終わらせたくない






昔から本気だった


本気で、Aの才能を悲しい事だけで使わせたくないって思って、追いつく為に努力した


俺のエゴだって分かってるけど


世の中全員驚かせたいんだよ




こんなすげぇやつがいるんだぞって、自慢したいんだよ




Aは俺の唯一無二の誇りだから




だから、行こうぜ親友



世界まで

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