蠍が十六匹 ページ17
ジャミル｢随分と遅い帰りの様ですね、A嬢｣
スカラビアへと続く鏡を抜ければ、仁王立ちしたジャミルが待ち構えていた
眉間にはこれでもかと言うほど皺が寄っている
あの後、モストロ·ラウンジを出てからミステリーショップでサムとお茶会という名目でデザートをたらふく食べてきたのだ
気付けば時計は12時を過ぎていて
鏡舎までサムにエスコートされながら帰ってきた訳だが
｢何をそんな怒ってるんだジャミル｣
ジャミル｢賢い貴方が言われなければ理由も分からないと？｣
｢………帰りが遅いのなんていつもの事じゃないか、何をそんなにカッカッとしてるんだ、生理か？｣
ジャミル｢茶化さないでくださいよA嬢｣
そう言ってこめかみを抑えてため息をつくジャミル
おおよそ、宴の準備を急ピッチで行い、その後のカリムを寝かしつけるまでの疲労が溜まりつつも、いつ帰ってくるか分からない私を鏡の前でずっと待っていたのだろう
それに、ジャミルが部屋の扉の前ではなく鏡の前で待っていたという事は………
｢(はぁ……今日の説教は早く終わるといいな)｣
ジャミル｢いつも言っていますが、10時までには寮に戻る事
貴女はアジーム家の長女ですし、なにより女性です
いつ狙われるかいつ襲われるかも分からないのに護衛も付けてない貴女が一人でこんな時間まで出歩くなんて……危機感を持って下さい
それに、今日は午後の授業を丸ごとサボっていたのはどういう事です？
レオナ・キングスカラー先輩じゃないんですから、ちゃんと授業に出て下さい｣
｢そもそも……｣と全く終わりそうのない説教のような小言のような事を語るジャミル
それを鏡に持たれながら聞き流す私
おそらく、目は白目を剥いてるだろう
こうなったジャミルは長い
魔法士の授業と同じくらい長い
途中からルチウスの幻聴が聞こえてくるくらいだ
｢……あぁ、もう、ジャミル、分かったから｣
ジャミル｢貴女は前回もそう言ってたじゃありませんか｣
｢……そうか？…まぁ、昔の事は興味ないし覚えてないからな、許せ｣
ジャミル｢まったく、貴女という人は……｣
｢心配し過ぎなんだよジャミルは………私は兄とは違って身を守る術を知っている。実際、ジェイルを解雇してからは自分で自分を守ってきた
それはジャミルも知ってるでしょ？｣
ジャミル｢それは……｣
｢それとも、誰かに守られないといけないくらい私には力がないとでも？｣
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絵宙(えそら)(プロフ) - 更新待ってます！オクタとの絡みが多くて嬉しいです…← (2020年10月26日 22時) (
レス) id: ede154cf4d (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれると嬉しいです。待ってます。 (2020年7月23日 12時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
SAITOU(プロフ) - 雨鷽さん» 作者がオクタヴィネル箱推ししてるので、絡んでくる回数が多いと思います笑ありがとうございます！ (2020年6月21日 3時) (レス) id: 6e1f25c43e (このIDを非表示/違反報告)
SAITOU(プロフ) - 塩キャラメルさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年6月21日 3時) (レス) id: 6e1f25c43e (このIDを非表示/違反報告)
SAITOU(プロフ) - 蒼葉さん» 4章!!!!!分かります!!!!!(クソデカボイス)ありがとうございます！ (2020年6月21日 3時) (レス) id: 6e1f25c43e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SAITOU | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hal22
作成日時：2020年6月4日 20時
