蠍が一匹 ページ2
私達は何故かいつも一緒にいた
特に小さい頃は、双子の兄と瓜二つでどちらがどっちと分かるのはお互いとジャミルだけ
両親でも分からなかった私達を見分けられたのは本当に凄いと思った
因みに私についていた従者であるジェイルはいつまでたっても見分けられなかった
そんな見分けのつかない私達
でも兄がこの家の後継者である事は揺らぐことはなくて、勿論暗殺される危険と隣り合わせだった
そんな危険なとばっちりを受けるのは私なわけで、よく兄と間違えられて何度も死にそうになった
そうするといつも一番に駆け寄ってきたのは、兄の従者であるジャミル·バイパー
心配そうというよりはどこかイラついたような、諦めたような目をしているくせに、どこか闘争心を宿している瞳の彼を見て面白く思った
そして、可哀想だと思った
｢ねぇ、ジェイル｣
ジェイル｢どうしましたA様｣
｢今日からはもう私につかなくていいよ｣
ジェイル｢なっ！そういう訳には行きません！A様達、アジーム家に仕えるのが俺達バイパー家の役目なんです｣
｢めんどくさい。解雇だって言ってるの｣
そうして椅子から立ち上がり部屋から出る
後ろからは慌てながらジェイルが追いかけてきた
ジェイル｢A様!!お待ちください!!｣
そう言って私の前に回り込んで跪くジェイル
ジェイル｢何かお気に障ることをしてしまったのならばどんな処罰でも受けます！ですからっ、そんな事を言わないで下さいませ！｣
焦りと困惑の混じった瞳で見つめてくるジェイル
自覚済みの冷ややかな目で彼を見つめながら私は溜息をついた
｢何をそんなに必死になっているのか知らないけど、主人である私の決定に背く事は許さない｣
そう言い放つと、ぐっと詰まったような顔をした後に弱々しく｢分かりました……｣といって立ち上がる彼
｢今この場を持って、ジェイル·バイパーと私との主従関係を切る。このあとの人生は貴方の好きなようにしなさい｣
そう言って彼の横をすり抜ける
去り際に聞こえた｢ありがとう｣は聞かなかったフリをした
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ジェイル·バイパー
創作の人物です
ジャミルの年の離れた兄で、Aが10歳になるまで仕えていた
上記の通りAに解雇されてからは家との縁も切り、輝石の国で料理店を営んでいる
バイパー家という足枷を外してくれたAの事を今でも慕っており、月に3回は手紙を送るが返事が来るのは稀
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 979人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絵宙(えそら)(プロフ) - 更新待ってます！オクタとの絡みが多くて嬉しいです…← (2020年10月26日 22時) (
レス) id: ede154cf4d (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 最近更新がなくて寂しいです。更新してくれると嬉しいです。待ってます。 (2020年7月23日 12時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
SAITOU(プロフ) - 雨鷽さん» 作者がオクタヴィネル箱推ししてるので、絡んでくる回数が多いと思います笑ありがとうございます！ (2020年6月21日 3時) (レス) id: 6e1f25c43e (このIDを非表示/違反報告)
SAITOU(プロフ) - 塩キャラメルさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年6月21日 3時) (レス) id: 6e1f25c43e (このIDを非表示/違反報告)
SAITOU(プロフ) - 蒼葉さん» 4章!!!!!分かります!!!!!(クソデカボイス)ありがとうございます！ (2020年6月21日 3時) (レス) id: 6e1f25c43e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SAITOU | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=hal22
作成日時：2020年6月4日 20時
