妖*27 ページ27
‐ごめんね そんな悲しい顔をさせるために私は残ったんじゃない
いや、そんなことを言ってももう遅いか…
もう君には私のことは見えないのだから
なあ、夏目？
さよなら。
待って、待ってくれ
おれには、まだ言いたいことが…
伝えたいことがまだたくさん…！
…め、
何で、何で離れていく
A待ってくれ、
そんなに悲しい顔しないでくれ
な…、め！
あれ、何処からか声が…
‐呼んでるよ 夏目
！A…っ！！
夏目！！
田沼「夏目！！」
夏目「ハッ……た、田沼」
田沼「やっと気付いたか
ボーッとしてたぞ？
何度呼んでも気づかないから焦った」
夏目「わ、悪い…
ちょっと考え事してて…」
田沼「…Aのことか？」
夏目「…あぁ、」
田沼は心配そうにおれを見つめていた
そうか、おれは田沼と帰る約束をしていて…
そこから急に考え込んじゃってたのか。
小さな神社に入り、大きな岩があったのでそこに腰掛けた
神社なら妖怪に狙われる心配もない
安心して田沼と話すことが出来る
夏目「…前に皆で行った湖のこと、
覚えてるか？」
田沼「ああ、確か玉藻湖…」
夏目「そこで話に出た玉藻前ってのがAの事なんだ」
田沼「ま、まじか…
そんな凄い妖怪だったのか
でも、それが夏目が元気ないのと関係してるんだろ？」
夏目「！田沼…」
田沼「見ていれば誰でもわかるさ
夏目が元気ないことなんて」
田沼は優しく笑うと、何かを察してくれたようだった
そしておれはポツポツと話し出した
彼女が昔 おれと仲良くしてくれた妖怪だったこと
皆で湖に行ったあとから直々会っていたこと
そして、そんな彼女ともう会えないかもしれないこと。
全てを話し終わった時にはもう辺りが茜色に染まるところだった
田沼も話を聞いていて「そっか…そんなことが」というだけであまり深くは聞いてこなかった
きっと色々聞きたいことがあるんだろうけど、おれに気を使って話しかけてこないのだろう
今はそんな彼の気遣いが有難かった
また深く話してしまったら、涙が止まらなくなりそうだったから
あまり遅くなってはいけないと、田沼とはここで別れた
また彼女のことを覚えてくれる人が増えたと思うと少し心が軽くなった。
続く (更新停止中)
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薔薇(プロフ) - すごく面白かったです！更新頑張ってください！待ってます！ (2017年7月25日 13時) (
レス) id: 60acc756ea (このIDを非表示/違反報告)
黄昏 - とても、面白いでした！すごく文章が綺麗です！羨ましい！ (2017年6月4日 23時) (レス) id: 1cf210e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
鴉花 - とても、丁寧で読みやすいです！私も夏目友人帳が好きでとてもおもしろいです。どこで、文才の安売りやってるんですかね・・・(´・ω・`) (2015年9月23日 9時) (レス) id: d6e8f5e893 (このIDを非表示/違反報告)
しずく*(プロフ) - 橄欖さん» はやかったですかｗそれに夏目友人帳が大好きなので！ｗ (2015年9月21日 14時) (レス) id: 9ccd6e3527 (このIDを非表示/違反報告)
橄欖(プロフ) - しずく*さん» はやい、ｺﾒﾝﾄがはやい笑おそらく今までで一番早かったです笑文才なんて…（泣）でもありがとうございます！嬉しいです！ (2015年9月21日 13時) (レス) id: ad5e357c1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：橄欖 x他1人 | 作成日時：2015年9月21日 13時
