妖*21 ページ21
凄く昔の話
まだ夏目が生まれていない何十年も前にAは生まれた
大きな狐のもとで。
「A、これがお前の名だ
覚えておけ」
「A…？
私の名、A！」
嬉しそうにはしゃぐ、A
人間ではもう成人してる齢だが、どうやら狐の妖怪は成長が遅いらしい
人間の見た目に例えるなら5歳ぐらいだろう
「我の名はこう書いて…」
「紫(むらさき)？
紫だ！」
「…ふむ、まだ紫(むらさき)としか読むことはできんか
いいだろう、我の名は紫だ」
どうやったのかは分からないが、落ちてきた葉を"紫"という形にして言葉を覚えさせた
紫「我の本当の名は紫(ゆかり)だが
今は紫(むらさき)でも良しとしよう」
「ゆ、かり…？
紫(むらさき)！」
…
…
夏目「！これは…」
以前みんなで来た時は美しい風景が広がっていたのに
今はとてもそうは思えない
空は曇り、湖は底が見えなかった
斑「聞いていたより酷いな…」
紫「それはそうだ
ここはあの子の居場所なのだから」
夏目「お前は…確か紫…
なあ、あの子は…
Aはどこに居るんだ
教えてくれ！」
紫「ふん、人の子め
そのようなことお主に教える義理はなかろう」
僅かに感じる、紫の怒り。
それは先生も感じ取っているのだろうか、表情がいつになく真剣だった
斑「…紫、あの小娘は」
紫「眠っているさ
お前のせいでな、人の子よ」
夏目「わかってる…
だから謝りたいんだ
会ってちゃんと話がしたい…」
紫「何を今更…
もうあの子は眠るつもりだ」
悲しげに湖を見つめる紫
まさか、あそこに…？
夏目「まさか居るのか？
あの中に…」
紫「…」
無言は肯定と受け取った
湖…
前は透き通っていて底が綺麗に見えていたのに
夏目「あそこに行けば、
Aに会えるのか？」
紫「…さぁな」
斑「夏目…お前、死ぬぞ」
夏目「その時は先生が守ってくれるだろう？
…もしその時は友人帳を預けるよ」
斑「ふん、早く行ってこい
戻ってこないと友人帳を好き勝手使ってやるからな」
夏目「ありがとう
ﾆｬﾝｺ先生」
何も見えない
濁った湖に手をつけると
輪が広がった
靴を脱いで足をつけた時、
声が聞こえたんだ
‐夏目、お主は来るな
夏目「Aっ！」
久々に聞いた
優しい声。
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薔薇(プロフ) - すごく面白かったです！更新頑張ってください！待ってます！ (2017年7月25日 13時) (
レス) id: 60acc756ea (このIDを非表示/違反報告)
黄昏 - とても、面白いでした！すごく文章が綺麗です！羨ましい！ (2017年6月4日 23時) (レス) id: 1cf210e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
鴉花 - とても、丁寧で読みやすいです！私も夏目友人帳が好きでとてもおもしろいです。どこで、文才の安売りやってるんですかね・・・(´・ω・`) (2015年9月23日 9時) (レス) id: d6e8f5e893 (このIDを非表示/違反報告)
しずく*(プロフ) - 橄欖さん» はやかったですかｗそれに夏目友人帳が大好きなので！ｗ (2015年9月21日 14時) (レス) id: 9ccd6e3527 (このIDを非表示/違反報告)
橄欖(プロフ) - しずく*さん» はやい、ｺﾒﾝﾄがはやい笑おそらく今までで一番早かったです笑文才なんて…（泣）でもありがとうございます！嬉しいです！ (2015年9月21日 13時) (レス) id: ad5e357c1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：橄欖 x他1人 | 作成日時：2015年9月21日 13時
