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Aside
私が目を覚ましたのはお昼過ぎ
薬がまだきいているのか、少し動けるようにった
お母さんが作ってくれたお粥を食べたベッドに横になろうとした時、スマホに一通のメールが
それは、同じグループの子で、今日中に必要なプログラムが動作しないとの連絡だった
『……少しぐらい、いいよね…』
PCを開いて確認作業をした
しばらく続けていると、体がだるくなってきて
自分でも熱が上がっていることが分かる
でも、これだけ、あと少しって
ヤメ時が分からずに続けてしまう
ガチャ
涼介「なにしてるの?」
突然扉が開いたことに驚いて振り向くとそこには涼介くんがいて
『!!涼介、くん……?なんで………今日は来ちゃダメだって、』
連絡したのに
そう言おうとしたけど、私は口を閉じた
だって、涼介くんの目が冷たくて
あぁ、怒ってるんだってわかったから
涼介「安静にしてろって言われたんじゃねぇの?」
部屋の中へ入ってきて私の目の前で止まった
私は涼介くんの顔が見れなくて俯いたまま
涼介「熱あんだよな?なんで寝てねぇの?なんでPCいじってんの?」
『………っ。ご、ごめんなさい、……でも、』
涼介「でもじゃねぇよ」
『っ、』
その低い声に耐えきれなくて
とうとう私の目から涙がこぼれた
『ごめん、なさいっ……泣』
止まることなく流れる涙を手の甲でゴシゴシと擦るけど
涙は止まってくれない
涼介「……はぁ……」
今度はため息をつかれてしまった
あぁ、呆れられた、嫌われた
そんなことが頭に駆け巡った
涼介「………」
次の瞬間
私は抱き上げられてすぐ後ろにあるベッドに降ろされた
『………?』
涼介「ごめん。強く言いずきた」
ベッドに座って私の頭を撫でた
涼介「もう怒ってないから、泣き止んで」
いつもの涼介くんの声だって安心して
上半身を起こして涼介くんの首に腕を回した
涼介くんは私の背中に手を回して倒れないように支えてくれた
『ごめんなさい………ちゃんと、休むから……
嫌いにならないで……』
涼介「ならないよ。嫌いになんてなれないから
今は、ゆっくり寝て早く治して?
Aが苦しむのを見るのは辛いよ」
落ち着かせるように優しく背中を撫でてくれた
それが心地よくて、涼介くんに抱きついたまま寝てしまった
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作者名:ゆうか | 作者ホームページ:http://YAMADA
作成日時:2022年10月1日 5時