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涼介side
涼介「お疲れ様でした!!」
撮影が終わってすぐ、駆け足で楽屋に戻ってマネージャーに車で家の近くまで送って貰う
近くのコンビニで下ろしてもらって必要そうなものを買う
買い終わってコンビニを出るとスマホが鳴った
見てみるとAのお母さんからだった
涼介「もしもし」
母「あ、涼介くん?お疲れ様」
涼介「お疲れ様です。どうかしましたか?」
Aの家に向かって歩きながら電話に出た
内容はAの事だった
風邪の原因を聞いて俺は言葉が出なくなった
ずっと一緒にいたはずなのに、何も気づかなかった
Aの異変に気づけなかったのかと
母「涼介くん?」
涼介「………すみません、お母さん。俺、ずっと一緒のいたのに気づけなくて……」
母「いやいや、今回のことはあの子の管理不足で起こったことだし。涼介くんが気にすることない」
涼介「でも、俺がもっと早く気づいて止めてれば、」
母「たとえ止めても辞めなかったはずよ。親の私の言うことも聞かないぐらいなんだから。
いつもみたいに笑っていてあげて?
じゃないとAが気にしていつまでも治らないから
私もお父さんも夜には帰るから
もし家に行くならよろしくね」
そう言って電話は切れた
そうだ、俺がしっかりしなきゃ
Aの前で落ち込んだ姿は見せれない
Aの家の鍵を開けて中に入る
キッチンに行って冷蔵庫にさっき買ったものを入れる
涼介「A、寝てるかな…」
Aの部屋に行って扉を少し開けると隙間から明かりが漏れて、中からはカタカタという音が聞こえる
まさかと思い扉を開けるとデスクで作業をしている姿が
涼介「なにしてんの?」
『!!涼介、くん……?なんで………今日は来ちゃダメだって、』
声をかけると肩をビクッと揺らし振り向いた
その顔は熱で火照っていて、おでこに貼られた冷えピタは乾いて取れそうになっている
その姿だけで熱が高いんだって伝わってくし
時折、咳をしていて、その咳もなんだか苦しそうに見える
涼介「安静にしてろって言われたんじゃねぇの?」
辛いはずなのに無理をしてまで作業をする姿に俺は我慢が出来なくて、初めてAに怒りを覚えた
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作者名:ゆうか | 作者ホームページ:http://YAMADA
作成日時:2022年10月1日 5時