ヲタク女子の恋愛事情 (ページ11)

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Aside

その後私は3ヶ月もカフェには顔を出さなかった
元々、カフェ自体はヘルプ対応だけのバイトで
本腰を入れているのはコンビニの方だったから

3ヶ月がたってまたヘルプに呼ばれた

『おはようございまーす』

店長「おはよう、Aちゃん」

『お久しぶりですね』

店長「うん」

久しぶりに会った店長は何故かニヤニヤしていて
なんか怖い←

『なにか嬉しことありました？』

店長「んふふっ、なーんにも♪︎」

明らかにテンションがおかしいけど
本人が言わないならいいか

時刻は21:00
あと30分でラストオーダーの時間だ
住宅街の中ということもあって、21時になるとお店にお客さんはいない

店長「……今日は来ないかな」

『……？』

店長がそうつぶやいたその時

ｶﾗﾝｶﾗﾝ

来店を知らせるベルがなった

『いらっしゃいませ』

走って飛び込んできたお客様は肩で息をして、手を膝に着いていた
私は心配になり近づいて顔をのぞき込む

『あの、大丈夫ですか？』

そのお客さんはサングラスにマスクで顔が全く見えなくて
顔色は伺えなかった

？「あー、大丈夫です。あの、まだ時間大丈夫ですか？」

『大丈夫ですよ。お好きな席にどうぞ』

そういうと、慣れた足つきでお店の中でも死角になる端の方へ
私がいなかった間に常連さんになったのかな？

『こちらお冷です。メニューはお決まりでしょうか』

？「ディナーセットお願いします」

『かしこまりました。』

？「……あの」

『はい？』

？「俺の事、覚えてますか？」

『え？』

私の知ってる方？でも、それならすぐ気づくし
んー、顎に手を置いて首を傾げる

？「あ、ごめん、外してなかった」

そういうと、マスクとサングラスを外す

ｶﾗﾝ

私はその人の顔を見て手に持っていた伝票とトレーを落としてしまった

『や、山田くん……？』

涼介「良かった、覚えててくれた」

『っ、覚えてます！！私、とっても嬉しかったですから！！夢なんじゃないかって思ったくらい……！』

食い気味のそう返すと驚いた顔をしたけど
すぐに嬉しそうに微笑んだ

店長「やっぱり、来たんだね」

涼介「あ、こんにちは」

店長「もう今日は来ないかと思った」

涼介「撮影が押しちゃって……」

店長「そっか。お疲れ様。いつものディナーセットだよね？」

涼介「はい！」

『……あ！メニュー！店長！ディナーセットです！』

店長「爆笑。わ、わかってるよ笑」