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土曜の朝 ページ26

Aside





早朝。と、言ってもやっと外が明るくなってきた頃
隣で誰かが動く気配で意識が夢の世界から現実へと引き戻された




あぁ、そうだ
昨日の夜、珍しく自分の家に帰らずに私のベットで寝たんだっけ……




そんなことをうっすらと思い出していると、ふわりと優しい手が頭に置かれて撫でられたかと思うと
今度は頬にキスをされた




私はその感覚がなんだがくすぐったくて、ゆっくりと目を開いた





涼介「ごめん、起こした?」





朝の起き抜けでかすれた声がなんだが新鮮だけど、それと同時に甘やかすような声も混じっている気がした





『……いまなんじ、……?』




涼介「まだ朝の五半時。今日は土曜日で学校休みだろ?もう少し寝てな?」





寝起きで乱れた私の前髪をサラッと手ぐしで直した






『………すぐ、いく、?』



涼介「あと30分ぐらいかな」



『朝ごはん、作るよ』





2人で寝ていたということもあって、いつもより温かいベッドからむくっと起き上がった





涼介「………寝なくていいの?」




『ん。だぁじょうぶ。涼介くん、お風呂入るでしょ?いってらっしゃい』





涼介くんがお風呂に入ったのを確認して朝ごはんを作る
んー、車の中で食べるのかな……
そしたら、持ち運びできるものがいいよね…




冷蔵庫を開けながら何を作るのか考えて調理開始














作り終えた頃に涼介くんはカーディガンを羽織りながらリビングに戻ってきた






涼介「昨日のうちに着替えとか持ってきててよかった」




『?』



涼介「Aの寝顔みたら絶対遅刻ギリギリになると思ったから」





そういった涼介くんはニコニコしていて
反対に私は朝から顔を赤くした





それからも忙しなく動く涼介くん
予想通り、家で朝ごはんを食べる時間はないみたい
朝ごはんと、ついでに作ったお昼ご飯をランチバッグに入れて渡す




涼介「ありがとう」




『お昼の分も入ってるから食べてね』




涼介「マジ?朝も昼も作ったの?」



『お昼は昨日の残り物をアレンジしただけだから、期待はしないでね』



涼介「んーん、貰えるだけで嬉しいから」





玄関までついて行ってお見送り






涼介「行ってきます」



『いってらっしゃい。頑張ってね』






まるで新婚さんみたいな会話をして
朝からくすくすと笑いあった




予想外の早起きだったけど
こんなに幸せな気持ちになれるなら、また早起きしてもいいかも
なんて思ったりした、土曜の朝

嫉妬してほしい→←メガネ



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作者名:ゆうか | 作者ホームページ:http://YAMADA  
作成日時:2022年11月7日 1時

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