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涼介side
ガチャ
微かに聞こえた音で目を覚ました
涼介「あれ………」
ソファで寝ちゃったか……
涼介「………ん?」
起き上がると掛けた覚えのないブランケットが掛かっていた
涼介「っ、A!!」
Aが帰ってきたのだと周りを見渡しても誰もいない
でも、雑に片付けた机の上は綺麗になっていて
Aが帰ってきたのは間違えないのだとわかった
もしかして、さっきの音、玄関を閉める音……?
急いで立ち上がって玄関へ向かって外に出る
Aの家のドアノブに手を掛けて気がついた
俺、鍵もってきてねぇ……
急いでまた戻ろうと思ってくるりと方向を変えた
ガチャ
『あれ、涼介くん………?』
涼介「A!!」
『ちょ、近所迷惑!!』
腕を強い力で引かれて家の中へ
『ごめんね?家出てくる時の音で起こしちゃったかな……』
涼介「………」
『あ、お酒。結構飲んだんだね。空き缶いっぱいあって驚いちゃった。涼介くん、お酒弱いでしょ?大丈夫?』
涼介「………」
『………?涼介、く、「A」……….なに?』
涼介「おこって、ないの?」
『?なんで?』
涼介「なんでって………。俺、昨日酷いこと言ったし、今日だってこんな時間に帰ってこさせて……」
『………』
涼介「ほんとに、ほんとにごめん………。俺、自分のことしか考えてなくて………。知念に言われて、やっと気づいて………それで、……」
『………はぁ』
涼介「っ、」
初めて聞くAのため息
心底呆れました、みたいに俺を見る目
涼介「ご、ごめ、「涼介くん」はい!」
強めの口調で名前を呼ばれてつい、はい!、なんて言ってしまった
そんな俺にAは近づいてきて背伸びをした
『………ばーか』
ペチ
涼介「……へ?」
優しく俺のおでこを叩いた
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作者名:ゆうか | 作者ホームページ:http://YAMADA
作成日時:2022年10月18日 21時