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Aside
涼介「……俺は、別れたくない」
『………』
涼介「Aに苦労させてるのはわかってる。普通の恋愛はできない。それは、俺がアイドルだから……
本当なら、この恋だってしちゃいけない。
ファンとアイドルなんて言語道断。そんなの、俺だってわかってる……わかってるけど……」
涼介くんは私の首元に顔を埋めた
涼介「俺にとってアイドルは天職で……。やめろって言われて、いいよって言ってあげられない。それで……」
言いたいことが全くまとまらないみたい
その言動から涼介くんが焦っているのが伝わってくる
かくいう私も。
雰囲気的にいつネタばらしをすればいいのか分からなくなっている
涼介「……A以外と付き合うとか考えられない。……いや、考えたくない」
『涼介くん……』
涼介「……Aが望むなら、世間に好評してもいい」
『え？』
涼介「そうしたら、外で堂々とデートもできるよ。」
『ちょ、ま。』
涼介「Aと別れるぐらいなら、俺はいくら批判されたって耐えられる」
涼介くんなら絶対に言わないような言葉がつらつらと出てきて
私は慌ててネタばらし
『涼介くん、落ち着いて！
嘘だから！別れるって嘘なの！』
混乱している涼介くんに届くように大きな声でネタばらしをした
そうすると、私の首元に埋めていた顔を上げた
涼介「………うそ？」
『うん、嘘。……今日、なんの日？』
涼介「今日………圭人の誕生日……」
あ、うん。そうだけど
そうじゃない
『それもあるけど………世間的にはエイプリルフールでしょ？』
涼介「えいぷりるふーる」
『うん。』
涼介「………」
『………』
シーンとした空気が流れる
そしてその空気を断ち切ったのは涼介くん
涼介「はぁ…………びっくりした……」
涼介く私のお腹にぎゅーっと抱きついた
涼介「そういう嘘はやめてよ………というか、演技上手すぎ。女優目指してる？」
私のお腹の上でフリフリと頭を振る
わんちゃんみたいで可愛い
『涼介くん、あんまり好きとかって言ってくれないから
私のことちゃんと好きなのかなーって思って』
涼介「………好きに決まってんじゃん。」
『ふふっ、うん。伝わってきた。ごめんね？嘘ついて』
涼介「………Aからちゅーしてくれたら許してあげる」
『………』
私からキスしたことって1度もない
推しにキスなんて、そんな心臓が……
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作者名：ゆうか | 作者ホームページ：http://YAMADA
作成日時：2022年10月18日 21時
