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勝利が奏で始めたのはやはり、あの男から教わった音で、勝利が歌い出したのもやはり、あの男も歌っていた歌詞だった。
もう二度と訪れないあの4日間の、5日目以降がここにあるような気がしていた。学校の中では紫耀に咎められることは無い。私が求めていた決して手に入らないものが、永遠に私の手の中にあるのだ。無論この日々は有限であるが、私にとってはまったく永遠だった。それがとっても嬉しくて、私はこの音色の一つひとつをこぼさず胸に焼き付けた。
「すごい、どうして」
「Aが言った日に気になって調べて、それからずっと練習してて、やっとできるようになったから」
「すごいよ。嬉しい」
勝利がこの歌を聴いたときどう思って、どうしてこれを覚えようとしたのか、めちゃくちゃ気になったけど、この時の私はもうひたすら感嘆するしかできなくて、すごい、とただ繰り返していた。
まさにどうしたらいいかわからない、という状況で、もうなんだか、本当によくわからなかったのだ。求めていたものを目の当たりにして、感動したと一口に言うのは違う気がする。紫耀との不変で幸せな、それでいてどこか窮屈な日々からの解放ともいうのも少し違う。私はそれまで味わったことのない感情を必死に受け止めようと努力していた。
教室に戻るタイミングをずらしたので、勝利を好いているあの子にはあれから一度も怪しまれていない。
いつもは私が少し早く戻っていたのを、今日は勝利に先を譲った。
勝利が出ていって少し経っても、五限の予鈴が鳴っても、授業が始まってからも、私はそこから動けずに、放課後、吹奏楽部の部員が入ってきたので慌てて出た。ずっと上の空だった。そうやってふわふわと通学路を歩いて、帰ったら紫耀がいて、おかえりって笑ったあとで、ただいまと応えると、何かあったのかと聞かれた。何も無いと言った。いつもと同じように、ご飯を食べてお風呂に入ってテレビを見て眠った。
私の様子はどうせ変だっただろう。何も無いと嘘をついたこと、紫耀は気づいただろうか。
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絢花(プロフ) - この小説すごく好きです。�兇眛匹澆燭い任后�パスワードどうすればいいですか？？ (3月21日 18時) (
レス) id: 02c899b024 (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - えりさん» お返事遅れてしまいすみません。2度も嬉しいコメントありがとうございます！日が空いていますがもしまだ読んでくださっていればこれからもよろしくお願い致します！ (2020年5月17日 4時) (レス) id: b2f90188df (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - ぴっぴさん» お返事遅れてしまってすみません。とても嬉しいお言葉ありがとうございます！なかなか更新できずにいますが、もしまだ読んでくださっていればこれからもよろしくお願い致します。 (2020年5月17日 4時) (レス) id: b2f90188df (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - 花恋さん» お返事遅れてしまってすみません。きしひら書いててとても楽しいです！（笑）日が空いていますがもしまだ読んでくださっていればこれからもよろしくお願いいたします！ (2020年5月17日 4時) (レス) id: b2f90188df (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - 椎名さん» お返事遅くなってしまいすみません。長い間更新できていないのですが、必ず完結させようと思っています、、！もしまだ覚えてくださっていましたら、これからもよろしくお願いいたします！ (2020年4月11日 21時) (レス) id: b2f90188df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うゆ | 作成日時：2019年1月13日 3時
