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厳しい寒さが本格的な冬の訪れを感じさせて、手袋が嵌められた手でコートの上から腕を摩る。
先程紫耀との別れ際、不器用に巻いてくれたマフラーを結び直して校門をくぐった。
普通の学校生活を送っている。頑張って、普通を演じている。つまらないけれど、つまらないことこそがなによりの幸いだった。
「Aー！おはよ！」
「おはよ」
「ねー聞いた？今日の体育マット運動だって」
「まじで？この寒いのに？」
「それな？！しかも実技テスト倒立前転らしいよ」
「私そんなの出来ない」
「私もだわ！なんなら女子9割出来ないでしょ」
「だよね」
「先生何考えてんのーマジで」
朝から調子の良いクラスメイトと廊下を歩く。この子の席は廊下側の一番前。教室に入ってすぐそこにある机にドサッとカバンを置いた彼女は、窓側の後ろから2番目にある私の席まで着いて来た。そして、私の隣の席で突っ伏している男子の頭をゴツンと拳で突いた。
「勝利ー起きろ！」
「やめろよ」
「おはよ！ねー今日の体育男子何やんの？」
「…バスケって聞いた」
「いいなあ！こっちなんてマット運動だよ？！実技テスト倒立前転だよ？！」
「倒立前転も出来ないの？」
「は？あんた倒立前転舐めてんだろ」
「出来るし俺、中学の時もやったし」
「まじで言ってる？…勝利ってなんかパッとしない癖に運動できちゃうよね、なんなんだろ」
「悪口言うのやめてくれる？」
「いやいや、Aもそう思うでしょ？」
「えー、どうだろ？」
「ほらー！」
「いや今のどう考えても否定したから」
ふたりの会話を隣で聞いて、ただ笑っていた。
この子はよく彼に構っているけど、彼のことが好きなのだろうか。2週間前の席替えで、くじ引きで彼の隣を引いた私を羨ましげに見つめていたので代わってあげようかと思ったが、彼女の席が一番前だったのでしなかった。
それに、彼の隣になって良かったなあと思っている。なぜなら彼は、全く人に干渉しようとしないから。きっと、興味が無いだけなのだろうけど。
彼の名は勝利、という。彼女がよく名前を呼んでちょっかいをかけているのでこの2週間ですっかり覚えてしまった。苗字も佐藤、とありがちなので覚えている。
もちろん彼女も、佐藤勝利も、私の人生になんの影響も及ぼすことのない人間だ。
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絢花(プロフ) - この小説すごく好きです。�兇眛匹澆燭い任后�パスワードどうすればいいですか？？ (3月21日 18時) (
レス) id: 02c899b024 (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - えりさん» お返事遅れてしまいすみません。2度も嬉しいコメントありがとうございます！日が空いていますがもしまだ読んでくださっていればこれからもよろしくお願い致します！ (2020年5月17日 4時) (レス) id: b2f90188df (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - ぴっぴさん» お返事遅れてしまってすみません。とても嬉しいお言葉ありがとうございます！なかなか更新できずにいますが、もしまだ読んでくださっていればこれからもよろしくお願い致します。 (2020年5月17日 4時) (レス) id: b2f90188df (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - 花恋さん» お返事遅れてしまってすみません。きしひら書いててとても楽しいです！（笑）日が空いていますがもしまだ読んでくださっていればこれからもよろしくお願いいたします！ (2020年5月17日 4時) (レス) id: b2f90188df (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - 椎名さん» お返事遅くなってしまいすみません。長い間更新できていないのですが、必ず完結させようと思っています、、！もしまだ覚えてくださっていましたら、これからもよろしくお願いいたします！ (2020年4月11日 21時) (レス) id: b2f90188df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うゆ | 作成日時：2019年1月13日 3時
