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「もう帰れば？寒いし、遅いし。」
そんなに棘のある声で言わないでよ。
急に、大人と子供の境界線みたいなの、張らないでよ。
「ううん、帰らないよ。優太さんが話してくれたから、私の話もしてあげる」
「は？」
「…あ、てゆうか、私の親友の話、なんだけど、」
「いや、お前じゃねえじゃん」
彼のギターは抱かれることなく、ずっとケースに仕舞われたまま置いてある。
「………あのね、私の親友、家庭環境がやばいの。体売ってる母親と、酒癖拗らせたDV男の父親」
うわ、小さく呟いた声が聞こえる。
「ある日、父親のDVに耐えきれなくなった母親が出て行っちゃって、酔っ払った父親は家めちゃくちゃになるくらい暴れ回ったんだって。」
「その子は大丈夫だったの？」
「ううん、暴力の矢先はその子に向いた。近所の人が呼んだ警察が来た時にはもう、顔中身体中血だらけ傷だらけ。」
「マジ？」
怠そうにしていた数秒前とは打って変わって、すっかり話に聞き入った様子で真剣に私を見ていた。
私は、その目を決して合わせないようにして話を進める。
「でもね、その子はクラスではめちゃくちゃ明るい子で、いつもニコニコして愛想振りまいてるような子なの。友達もたくさんいて、家の事情隠すために必死に楽しいフリして。…だから警察見て怖くなったの。事が大きくなったら、クラスに広まって家のことがバレる。そしたらきっとハブられる。最後はいじめられる。」
赤いサイレンが瞼を掠って、あの日に記憶が呼び戻される。
……違う。これは、親友の話。
「今まで必死で守って来たものが壊れることを恐れて、気づいたらその場から逃げ出してたんだって。」
「……うん」
「宛も無くとにかく走って、そこがどこか分からなくなるくらい。そこで、優太さんくらいの歳の男に声かけられたんだって。」
「へえ？」
“…泣いてんの？”
“大丈夫、俺が助けてあげるから。”
“ほら、おいで”
あの手は暖かかった。
今日みたいな寒い寒い冬の日、初めて人の温もりを知った。
隣の澄んだ横顔は、あまりに鈍感だと思った。
この人はきっと気付かない。
だからまた、次の言葉を話す。
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絢花(プロフ) - この小説すごく好きです。�兇眛匹澆燭い任后�パスワードどうすればいいですか？？ (3月21日 18時) (
レス) id: 02c899b024 (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - えりさん» お返事遅れてしまいすみません。2度も嬉しいコメントありがとうございます！日が空いていますがもしまだ読んでくださっていればこれからもよろしくお願い致します！ (2020年5月17日 4時) (レス) id: b2f90188df (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - ぴっぴさん» お返事遅れてしまってすみません。とても嬉しいお言葉ありがとうございます！なかなか更新できずにいますが、もしまだ読んでくださっていればこれからもよろしくお願い致します。 (2020年5月17日 4時) (レス) id: b2f90188df (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - 花恋さん» お返事遅れてしまってすみません。きしひら書いててとても楽しいです！（笑）日が空いていますがもしまだ読んでくださっていればこれからもよろしくお願いいたします！ (2020年5月17日 4時) (レス) id: b2f90188df (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - 椎名さん» お返事遅くなってしまいすみません。長い間更新できていないのですが、必ず完結させようと思っています、、！もしまだ覚えてくださっていましたら、これからもよろしくお願いいたします！ (2020年4月11日 21時) (レス) id: b2f90188df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うゆ | 作成日時：2019年1月13日 3時
