兄に愛されすぎて困ってます。 〜 another sky 〜

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‐ No side ‐


「ショコラ、おいで？」


愛犬の名前を呼ぶとショコラと呼ばれたトイプードルが男の子の膝の上に来る。


いい子だね。と頭を撫でるとショコラは満足そうに目を細めた。


《キャン！》


一声鳴くとショコラは構ってほしいのか頬にばかりペロペロと舐めてくる。



「あははっ……くすぐったいよショコラ」


ふと、愛犬を助けてくれたあの子の事が頭をよぎった。



ショコラを抱っこしてからスマホを手に取る。



「……また会いたいな」


ポチッ……。


通話画面が映し出される。


電話に出てくれるかなんて分からない。


でも、気付いたら好きになってたんだ。




──────────────────────




「先生！緊急です！」


またもや緊急の知らせが看護師から知らされる。


俺は了承の意を伝えると眠気覚ましの液体が

入っている瓶のフタを開けて口に液体を飲み込む。



「あー……徹夜続きで緊急患者続きとか勘弁してくんない？」


そんなことを言ってると不思議そうに見ている看護師と目が合った。



ﾆｺｯ



微笑むと看護師は顔を真っ赤にしてその場を走り去っていく。


「……はぁ…何なんだよ全く」



ここ最近、更に女看護師や女医師に色目を使われることが多くなったような気がする。



「………あいつなら色目なんて使わないで

自然に話とかしてくれんだけどなー…」



ホント、何なんだろうなこの差は。



「先生！赤の一番が入りました！」


「ん、分かったすぐに行く」



思い浮かべてるのはあいつのこと。



はるかはあいつのこと好きみたいだけど双子だからって悩んでるんだろうな。



だったら、俺が奪ってやる。



俺が一番好きなのは……Aだけなんだ。

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