兄に愛されすぎて困ってます。 〜 another sky 〜

＊46＊ ページ46

自分の部屋に戻ると


殺風景な景色が目に入る。


ついこの前まで可愛らしい部屋だったのに。


理由は……



私はこの家を出ていくつもりだからだ。


もちろん、せとかやはるかに気づかれない程度に物を減らしてるけど。


椅子に座って家から見える海を眺める。



あ『……あと少しか…』



私がこの家に居られるのももう日は少ない。



あ『そうだ……』



確か、引き出しの中に " あれ " があったはず。


カサ……。


紙を取り出してシャーペンを走らせる。


書いてるうちに今日までの出来事が脳裏に蘇ってくる。



あ『楽しかったなぁ……』



橘家での毎日は本当にキラキラしていて


笑いが溢れていて理想の家族だった。



はるかはすぐ怒るけど私やせとかには優しい。


いい兄だったよ。はるか。


せとかはドジっ子だけど持ち前の明るさで私達を笑わせてくれた。


これからも可愛い妹でいてね？せとか。



あ『〜〜っ……！』



ふと書いてるときに紙を握りしめる。



何でだろう……。


離れたくないと思ってる自分がどこかにいる。

 




誰かに認めて欲しくて








自分を隠して








誰よりも強がって








誰よりも優しくして






誰よりも………




はるかの事が…………。






あ『…………あれ？』






私、何ではるかのこと………？









数分考えて、その答えが分かった。





あ『私…………はるかのこと………』









好きなんだ───

＊47＊→←＊45＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す