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コンコン。


ふいに書斎の扉が開いてお母さんがひょっこりと顔を出した。


母「あら、話し中だった?」


父「いや、もう話は終わった。

もう夕飯か?」


母「えぇ。今日はAの好きなシチューよ?」


あ『ありがとうお母さん。』


リビングに戻ると私の席には既にシチューが
用意されていた。


せとか「あっ!A姉!今日はA姉の大好きなシチューだよ!」


嬉しそうに言うせとかに私は『うん』としか言えなかった。


席に着けば、目の前にははるかがいる訳で。


はるか「……どうした?そんな暗い顔して」


あ『……えっ?』


私、暗い顔してた?


慌ててニコリと微笑む。


あ『大丈夫だよ。食べましょ?』


せとか「わーいシチュー!」


母「お父さんの分、持ってくるわね」


父「悪いな。ありがとう」


食べてる最中、ふとはるかが口を開いた。


はるか「Aさっき何話してたの?」


あ『んー……ちょっとね』


せとか「ちょっとって?」


あ『せとかには関係ない事よ』


はるか「せとかに関係ないなら俺にも関係あるんじゃねーの?」


あ『はるかにも関係ない』


ショボーンな顔になったはるかはスプーンを持ってシチューをすくった。


はるか「うめぇー」


その家族団らんの様子を私は見守る。


あ『…家族ってやっぱいいな』


お父さんは少し俯いてたけど「そうだな」と言ってシチューを食べ始めた。





夕飯を終えて、部屋に戻ると着信が入っていた。


あ『誰からだろ……あ、高嶺さんだ』



高嶺さんA、遅くにごめん。今大丈夫か?


あ『どうしたんだろ……』


大丈夫ですよとメールを打つ。


高嶺さんA、遅くにごめん。今大丈夫か?
A大丈夫ですよ!どうかしましたか?


しばらくするとピロリンと着信音がなる。


高嶺さんAが転校を決意したのは何でなんだ?


あ『何でって……』


あの家から離れるため。


高嶺さんにはそう言ったけど、具体的な内容は
伝えていなかった。


だって、高嶺さんに言った所で何が変わるというのだろう。


私は文章を打つ。




A具体的な内容は確か伝えていなかったですね。
Aただ、あの高校が嫌になっただけですよ



打ち終えてからベッドへ沈む。


あ『……高嶺さんに言ったって分かるはず
ないんだから』


そう呟いた。

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もえ(o´艸`)(プロフ) - 続きいつ投稿されますか? 早く続きが見たいです! (2019年10月24日 16時) (レス) id: 7742aa0a22 (このIDを非表示/違反報告)
玲実(プロフ) - 架霖さん» 指摘ありがとうございます!直させて頂きました (2018年3月25日 8時) (レス) id: b982a36c55 (このIDを非表示/違反報告)
架霖 - 続けてのコメントですみません(>_<) *47*のここの台詞 " 兄に恋してはダメ。あなたは妹としか思ってないわ " これのことはが抜けてませんか? 正しくあなたのことは妹としかではないんでしょうか? (2018年3月25日 3時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
架霖 - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 読み方教えて下さりありがとうございます。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 (2018年3月25日 3時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
玲実(プロフ) - 架霖さん» 聖櫻学園(せいおうがくえん)と読みます! (2018年3月24日 17時) (レス) id: b982a36c55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玲実 | 作成日時:2017年7月8日 9時

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