魔法使いでもありますが色々と忙しい

14話｢寝る前の会話｣ ページ16

ルーカスside


『〜〜♪』


聞きなれた鼻歌が聞こえた

確か結構前オートンシアが故郷の歌と言ってよく作業中に歌っていたのを覚えている

その歌っている顔は嬉しいと言わんばかりの顔だった
子供だったからかもしれない


『どうかしましたか?』

｢…目｣

『…?あ』


普段なら薄い紫瞳のはずだが

何故か片目だけ俺と同じ赤色になっている

俺が指摘をしたのか直ぐに片目に魔法をかけて元に戻した…と言うよりかはもう片方と同色にした


『思ったんですけど姫様って直球ですよね』

｢そうだな｣

『少しだけ楽しかったですけど』


俺は椅子に腰をかけて机に置いてあった本をパラパラとめくるだけめくった

神話かなんかだ


『……もうそろそろ自分の部屋に戻ったらどうでしょうか?』

｢別にいいだろ｣

『良くないから言っているんですよ』


そう言いながら髪の毛を下ろしてベッドに入ろうとした

俺を気にかけることも無い
本当に俺の事をどう思っているのか…

理由としては追い出そうともしない


異性としては意識されていないようだ


｢なんで小さくなるんだ?｣

『最近ハマっているんですよ｡
せっかく大きいベッドですから､小さくなってさらに大きいという実感を味わいたいだけです』

｢そうかよ｣


『気が済んだら早く出てくださいね




おやすみさない』


その言葉を境に会話がプツンと切れた

聞こえるのはオートンシアの寝息だけ


俺はオートンシアを起こさないようにベッドに乗った



ﾁｭ

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