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虎は分かっていた。
この話は誰もが聞いていい思いをするものじゃない。そして聞いたところでシュアヒョンだって俺と同じ思いをするはずだ。
でも、言ったら、変わるのかな。
ぐるぐるとそのことだけを考えていた。このむず痒くて重たい何かが、シュアヒョンに話して消えたらどれだけ幸せだろう。
あまりにも勢いが無くなった虎は目の前に心配そうに見つめるヒョンを見た。心配するジョシュアの瞳には虎の威厳がない顔が映っている。
ホシはそこで話そうかと腹を括った。瞳に映る姿は情けなく、自分みたいでは無いことが嫌だった。それに何も言わないよりもジョシュアは言ってくるほうが安心すると虎は知っていたから。少しだけでも何かが変わって欲しいと、心を預けてみようと思った。
｢ヒョン｣
｢どうしたの？｣
｢俺、ずっと困ってるんだ｣
ジョシュアはスニョンの目をしっかり見た。ホシが話してくれるならと、ヒョンとして受け止める気持ちをしっかりを示すように。
❊❊❊
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿しかし、まぁなんと言えばいいだろうか。
扉の開く音が聞こえて思ったより早かったことにスンチョルは笑顔で振り向いたのだが予想とだいぶ違かった。ほーーーんの少しだけ元気になったように見えるスニョンとあからさまに作り笑顔のジョシュア。それは見るからにわかりやすい、解決してない顔だった。
自分を見るなりシュアはこちらにずんずんと進んでくるのでスンチョルは唾を飲んだ。おい、ホシ。今度はどんな爆弾を落としたんだ…。スンチョルの前に来たジョシュアの顔はあからさまに引き攣っている。
｢クプス、放課後時間ある？｣
｢アー、うん。了解。ありがとな｣
これは何かあったなとスンショルは察した。ジョシュアは種を返して直ぐにユン･ジョンハンのところへと向かった。ストレッチをしているジョンハンをポンッと横から叩く。
｢ハニ、放課後集合で｣
｢うん？なんか話すの？｣
｢うん。まぁ色々｣
｢OK〜｣
そういえばクプスにも同じことを言っていたみたいだった。ということは…と、ジョンハンは安易に事の重大さに気づいた。何の話かは分からないけど、きっと今日は早く帰れっこない。シュアが珍しくあんな顔をしてるから、内心何を話されるのだろうとハラハラしだしてくる。誰かが辞めるとかそういう話じゃなければいいけど。
部活動の最後の時間まで、ジョンハンはジョンハンなりに最悪なことを考えていた。
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続く
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作成日時：2024年3月10日 16時
