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イ･ソクミンはこの間のダンスの動作確認で軽く手を横に広げた動きをすると、パンっと何かに当たった音に首を傾げた。後ろには誰もいなかったはずだと思い振り向くと、さっきまで居なかったスニョンに思わず大声を出して驚いてしまった。
ぬっと帰ってきたのかホシヒョンに気づかなかった。
思わずホラー映画並の大声を上げてしまい、そんな様子を見ていたらしい後方から笑い声が聞こえる。ソクミン自身も笑いながらヒョン幽霊かと思ったよとおちゃらけながら言えば真顔であぁごめんと言われ、それっきりスニョンは喋らない。
な、なんだこの違和感。
ホシヒョンの反応が思っていた反応ではなくて自分でも口角が元に戻ったのを感じる。
取り敢えず空気を乱さないように咄嗟にスニョンの喜びそうな話を持ち掛けようと思い、スニョンが教室に戻る前に話していた新しい練習靴のことについて聞いた。
が、しかし。
めちゃくちゃ不発で、あまつ返事さえも帰ってこなかったソクミンはさらに焦った。
戻ってくる前まであんなに楽しそうにおNewの靴話してたのに一体どうしたの…！
だが、そう思ったのはソクミンだけでは無い。
明らかに焦っているソクミンの様子を後ろから眺めていた彼。何かあったのかと思い、ホン･ジスがスニョンの元へと歩いていく。
｢ホシヤ、どうしたの？なんかあった？｣
なるべく、優しく。
ダンスが揃わなかったら練習頑張ろうとやらなんやら言えるのだが、まだダンス練習も始まったばかり。もし悩みだった場合はホシは打ち明けるタイプでは無いので粘り強く、優しく接するしかないのだ。だから、なるべく優しく。
｢ヒョン…………別に何かあったワケじゃないんだけど｣
｢ゆっくりでも話せる？なんでも言ってよ。あっち移動する？｣
｢……｣
｢部活遅らせても今はまだ支障出ないから大丈夫だよ。
クプス〜、全体で15分ぐらい筋トレかストレッチしといて。それでも戻んなかったら先週の続き｣
｢何で…あー、OK。ほら行ってこいって｣
どこを向いてるのか分からないスニョンの目線にチェ･スンチョルはスニョンの背中を押した。
拗ねてるのか悲しんでるのか分からないが、この数分であからさまに何かありましたという顔をしている。一応リーダーだが既にスニョンのメンタルケアを申し出てるジョシュアにスンチョルはスニョンを託した。
無事機嫌が戻ればいいのだが。
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作成日時：2024年3月10日 16時
