第2話 ページ4
至視点
｢実はオレ、妹がいるんです。｣
｢えっ？妹さんが…？｣
これには俺も驚いた。
咲也は確か両親が亡くなってて親戚の家に居候してると言っていたはず。
｢妹は違う親戚に引き取られて一緒に暮らしては無かったんですけどお互い連絡は取ってたんです。｣
咲也ってよくそんな複雑な家庭でこんなに純粋に育ったよな…
｢でも高校はオレを追って来てくれたみたいで同じなんですよ！ちなみにAって名前で真澄くんと同じクラスだったと思います！｣
と、嬉しくてで仕方ないといった表情で咲也は話す。
｢妹さんのこと、ホントに大好きなんだね。｣
監督さんが微笑ましいな、といった感じで言うと、
｢はい！｣
と笑顔が返ってきた。
でもすぐ表情を暗くしてしまう。
｢で、ここからが悩んでる事なんですけど…
妹が最近、元気無いんですよ。｣
…?
皆キョトンとしてる。
いや、イマドキと女子高生なら悩みだっていっぱいあるだろうし元気がないことだってあるだろう。
俺が思ってることと同じような主旨のことを監督さんが伝えると、
｢でも！あのいつも明るくて笑顔なAが悲しそうに笑って話してる時だってどこか上の空なんですよ！？
オレ、心配で心配で…
オレがどうしたかきいてもオレに気を使ってか困ったような笑顔で何でもないよ、なんて言うんです！｣
【速報】咲也は思った以上にシスコン
いつも朗らかで弟キャラな咲也が意外だわー。
ん？そういや咲也の妹ちゃんは真澄と同じクラスなんだっけ？
｢じゃあさ、真澄が妹ちゃんか妹ちゃんの友達に話聞いたら？｣
同学年の友達のが悩み聞き出しやすいでしょ。名案キタコレ。
と思っていたが真澄はなんで俺が…としかめっ面をしている。
でも彼女がこう言った瞬間、彼の態度は一変した。
｢それいいですね！真澄くん、お願いしてもいいかな？｣
｢アンタが言うなら…｣
｢ホント！？真澄くん、ありがとう！｣
パッと笑顔になる咲也。
…歪みないカントク厨……
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作者名：志燈 | 作成日時：2017年3月31日 6時
