暗闇 ページ22
廊下を走り、ナイチンゲールの元へ向かう
彼女なら何か知ってると思ったんだ
その間もずっと嫌な予感が後をついてくる
「ナイチンゲール！僕だ！探鉱者だ！」
ナイチンゲールの部屋の前に着いて声をかけるが応答がない
扉をノックしようとしたが手が透き通ってしまったためそのまま中に入った
中に入るとナイチンゲールはおらず、あるのは消えかけのランプと大量の書類が置かれた机だけだった
僕は崩れ落ち、微かに震える両手を床につけた
これからどうすればいい？
ナイチンゲールはいない
扉を通り抜ける体
周りに聞こえない声
助けを求めらない
ぐるぐると回る思考を落ち着かせようと扉にもたれかかるが体が通り抜けて廊下に頭を強く打ちつけた
「いたい…」
痛覚があることに少し安心感を覚えてしまったが全然嬉しくない
もしかして朝からの全身の痛みはこの前触れだったのだろうか
そうじゃないとしても朝から痛い思いばかりだ
「どうしよう」
その時廊下の奥で風の吹き抜ける音が聞こえた
バッと起き上がり廊下を見ると壁に一列に並べられたランプの火が奥から消えていっている
まずい
寝る時ですら灯りがないと眠れないのに
段々とこちらに暗闇が近づいてくる
来るな
ついに目の前にある部屋のランプだけになった
嫌だッ
手を伸ばすが届かず、炎は消えていき、全てのランプが消灯して暗闇が辺りを包んだ
「ああッ…」
目の前が真っ暗で何も掴めない
嫌だ…
外から聞こえる夜風の音が岩同士の隙間から入り込んでくる隙間風の音に聞こえてしまう
あの時の記憶が蘇る
泥のように
ゆっくりと
…痛い
痛い痛い痛い…
焦げ臭い…
誰か…
苦しい… 見えない…
足が… 暗いよぉ…
水を… 熱い…
うう…
怖いッ…
ダスゲデぐれッ！
「 ッハァ？！」
あまりのことに驚いて目を見開き起き上がる
「はぁ…はぁ…」
荒い呼吸を整えつつ当たりを見回すと窓の外は明るく、鳥の囀りがしていた
いつの間にか眠っていたようだ
もう暗闇じゃないことに安心するが先ほど見た夢で聞いた数多の言葉が脳裏に焼き付いて離れない
「はぁ…最悪だ…」
震える手を握り締め、誰もいない部屋を後にした
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【湖の宝石】(プロフ) - この作品本当に大好きです！ゆっくりでいいので更新頑張って下さい！ (2021年6月6日 2時) (
レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナメクジの番犬 | 作成日時：2020年12月26日 22時
