誰か見つけて。【東京卍リベンジャーズ】 (ページ8)

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6話ページ8

そうこうしているうちに、時間は過ぎていって、私は今、自分のクラスの目の前だ。

ｶﾞﾗｯ

意を決して中に入る。

教室の中は、いつもと別に変わっているわけでもわけでもなければ、
誰も私が来たことに興味なんて示してこない。

良かった。いつもと同じだ。

何ら変わりない様子に、私は少し安心した。

教室を少し見渡すと、三ツ谷がいることに気づいた。あっちは私に気づいていないようだ。

心の中で安堵の息をつきながら自分の席に着く。

自分から誰かに話しかけはしない。

いつもなら、着いてそうそう三ツ谷に声をかけるのだろうけど、生憎私はそこまでの鋼のメンタルなんて持ち合わせちゃいない。

自分の事を、嫌いな相手に話しかけるなんて、そんな自分から傷つきに行くような真似はしたくない

やることなんてないから、視界をシャットダウンするように机に伏せる。

当然、あんだけ寝たのだから、眠りにつけるはずもない訳だが、
周りの物珍しそうや目線に耐えることは出来なかった。

「葵さんと三ツ谷君、今日話してないね。」

「けんかでもしたのかな？」

「めずらしー。」

あぁ。本当にやめてくれ。私たちに聞こえてないとでも思っているのか。

もう少し声量下げろよ。

なんて、相手には絶対に言えない悪態を心の中で吐き出す。

聞きたくない話ばかり拾ってしまう使えない耳を隠すように、
私はバッグからイヤホンを取り出し付ける。

顔を上げた瞬間、三ツ谷と目が合ってしまう。

やばいと思い、目を逸らすも、もう遅い。

向こうは、私の存在に気づいてしまった。

まあ、気づかれたからと言って何か起こる訳では無いんだけど。