＊─二宮─ ページ10
·
堤防から俺に背中を向けて歩いていく人影が見えた
二宮「待って、楓」
楓「…」
振り向いた楓は、少し泣いたのか、目が赤くなっていた。
二宮「…ごめん。」
急に“別れて“なんて言って、急に居なくなって
無責任な奴でごめん
って思いで、深々と頭を下げた。
·
楓「…も、…いい。」
二宮「…」
楓「Aちゃんのお下がりなんてやっぱりいらない」
頭をあげると、ふっ切れたように微笑みながら…でもどこか泣きそうな楓が言った
·
楓「和くんよりもいい男、見つけてやるから」
二宮「…俺よりいい男なんているの？(笑) 」
楓「…自惚れんな！私が本気になったら三日もあれば見つけるわ」
二宮「…楓って、そんなキャラだっけ？」
楓「…今までは、か弱いフリしてきたけど…もうこの設定にも飽きたから。」
二宮「じゃあ…今まで俺は騙されてたっつうわけだ」
楓「アンタ騙しやすかった。…、正義感強いあの子とお似合い！」
·
二宮「ん…ありがとな、楓」
俺の言葉を聞いて少し笑って…楓はまた俺に背を向けて歩いて行った。
…俺も戻るか。
夕日に目を細めながら歩いていたら、後ろからデカイ声で…
·
·
楓「Aちゃんに…意地悪してごめんねーって言っといて！」
って聞こえた。
意地っ張りな彼女は…最期まで意地っ張りだ。
そんな彼女の意地っ張りなところを…彼女の全てを包み込んでくれる人が現れますように。
なんてガラにもなく考えながら、平瀬の元へと急いだ。
·
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1060人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
遥 - もう、ずっと泣いてます！最後は嬉しくて泣いてしまいました。感動です！応援してます (2017年2月24日 23時) (
レス) id: de956f531d (このIDを非表示/違反報告)
ぷらむ(プロフ) - ゆっきーさん» ゆっきーさん＊コメントありがとうございます。私も書いていて結末をどうしようか悩んだ結果、この最後になりました。しっかり味わって読んで頂けてるようで嬉しいです^^ (2017年1月28日 12時) (レス) id: 5718d51275 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっきー(プロフ) - 初めまして。少し前から読ませていただいていました。切なさともどかしさに悶えていましたが、やっと素直に気持ちを認めて踏み出した二人にほっとしました。素敵なお話をありがとうございました^ ^ (2017年1月28日 1時) (レス) id: e830c97901 (このIDを非表示/違反報告)
ぷらむ(プロフ) - keiさん» keiさん＊嬉しいです(；＿；)主人公ちゃんの一途な想いが伝わっていれば嬉しいです(*´`)ありがとうございます！ (2017年1月17日 12時) (レス) id: 5718d51275 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - すごくステキでした！夢中になって読みました。切なくてでも主人公ちゃんがかわいくて、キュンとしました(*´∀｀)また晋作を楽しみにしてます。 (2017年1月17日 0時) (レス) id: 6133f4f2c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つむ夏
| 作成日時：2017年1月6日 23時
