呪縛。【刀剣乱舞】【成り代わり】 (ページ8)

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夜になった。
日はすっかり落ちて、空には星が瞬いている。

こんなに綺麗な夜空を見たのはいつぶりだろうか。

この本丸の刀剣たちは、僕に気遣ったのか、数振りずつでこの部屋を訪れ、心配する言葉をかけてくれた。

きっと審神者も優しいのだろう。

彼らがあんなにも楽しそうに笑うのだから。

数時間前、燭台切光忠が夕餉にと、たまご粥を持ってきてくれた。

回復するにはまず食べろと言われ、渋々匙を手に取ったものの、うまく食べることができず迷惑をかけてしまった。
なにせこの身体になってからの、初めての食事だったのだ。

燭台切光忠の作ったご飯は、噂通り美味しかった。

カタン

近くの部屋から物音がした。

この手入れ部屋は、審神者部屋と門の近くにある。
いつ誰が怪我をしてもすぐに対応できるようにだ。

そして、近侍部屋も、審神者部屋の近くにある。

昼の間に聞いた限りでは、ここの審神者の名は雲雀。
近侍はへし切長谷部か、加州清光あたり。
今日の近侍はへし切長谷部らしい。

審神者部屋はまだ灯が点いているから、書類が終わらず、主命と言ってへし切長谷部を無理やり帰したのだろう。

僕を保護した故の書類は多いと踏んだが、当たっていたようだ。

『よし、行こうかな。』

戦闘服を着て本体を持ち、審神者部屋へ向かう。

審神者に話があるのだ。
それこそ、近侍に、否、刀剣男士に聞かれたくない話が。

審神者部屋の柱を叩く。

『僕だよ。入ってもいいかな？』
「はい…ってえ？！」

素っ頓狂な声が聞こえたが、諾と捉えて襖を開けた。

『こんばんは。夜分遅くにすまないね。』