呪縛。【刀剣乱舞】【成り代わり】 (ページ18)

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◆ ページ18

再び静かになった三条。

なにか変な事を言っただろうか。

「お前は笑っているほうがよいな。」
「もっとわらったほうがいいですよ！」
「うん、そうだね。やっぱりその方が素敵だ。」
「おや、口説き文句ですか？石切丸。」
「な、いや、そんなつもりじゃぁ…」

わっと賑やかになる。

そうか、笑っていたほうがいい、か……。

いつも作り笑いばかりだった。

作り笑いだとバレないようにするのは簡単だ。
口角を上げるだけじゃないくて、声色も明るくしてみせるのだ。

さも楽しそうに。私がいつもやっていた事だった。

その笑顔が嘘だとバレた事はなかったし、これからもそうだと思っていた。

前の本丸でも、バレなかった。

さも楽しそうに振る舞えば、みんなも多少は明るくなった。

だから、僕は仮面のように笑い続けた。

この本丸に来てからは、あの場所で、何よりも守りたかった仲間が折れた事で、仮面をつけるのさえ億劫になってしまった。

でも、ここでは自然に笑うことが出来た。

笑うことはこんなにも、単純なことだった。

『ふふっ、僕を口説き落とすには足りないよ？』

にっこり笑う。

みんながまた楽しそうに話し出した。

こういうのを、幸せと呼ぶのだろうか。