最後じゃない ページ13
「望、なんかテンション低くない?」
『そんなことないで!元気!』
「そっか。なんか変だよ」
『ごめん。』
仕事終わりに突然飲みに行こって誘われて、弾丸でいつもの居酒屋に。
誘ってきた時からおかしいとは思ったけど、やっぱり飲みに来てもその違和感は拭えなくて
かと言って問いただす訳にもいかないから言ってくれるまで待つしかない。
『あれから、なんかされるん?』
「いーや、全然。」
『ほんなら、よかったわ。』
「……望でしょ、言ってくれたの。」
『なに?俺なんもしてないで』
「嘘つき。」
それ関連かなって思ったけど、ここで嘘つく理由は無いはずなのについてるってことは
やっぱりなんかあったんだなって理解した。
『Aが元気なら俺も安心やわ』
「何?今更」
『…なんかあったら、周りを頼るんやで?』
「は?何ほんとに。望に守ってもらうもん」
『そ、やな。…俺しか守れへんもんな!』
なんかあったって望がいるし、
なにかあるたびに望に話せるし、
なにもなくたって望と居れると思っていた。
これが最後じゃないと思っていた。
『A、俺明日からおらんねん。』
大阪に行くことになった。
「……冗談やめて?」
『ほんま。……ぎりぎりまで言わんと、今日まで黙っててほんまにごめん』
私はどうやら、夢を見ているらしい。
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作者名:そば子 | 作成日時:2020年1月15日 11時