神兼、天使 ページ5
「とも〜」
『ハイハイ。おつかれさま』
「ん……もうやだ」
『今日は何されたん？』
「エレベーターで、おしり触られた」
『もう訴えたらええやんか』
「上にはもう言ってるんだよ」
『そっか……』
神山智洋、私たちの同期である彼も以前は毎日のように飲んで遊んで……今の小瀧とのような関係性であったものの、
彼に恋人ができたためにたまにこうして飲みに行く程度となった。
名前に神という文字がつくだけあって、本当に優しくていい人。でも、ズバッと言ってくれる。
友達として最高な人間。あと可愛い。
「ともは、彼女と上手くいってる？」
『仲良しやで。いい子やし……』
「よかった。……これ美味し〜食べる？」
『もらう！』
小瀧との関係性についても、彼はよき理解者だから
喧嘩した時もお世話になる。
『Aたちはどうなん？付き合わんの？』
「ないでしょ。てか付き合ったって何も変わんないよ。」
『ん〜せやろか、お互いの信頼度は変わるんちゃうの？今っていい意味でも友達やけど悪い意味でも友達やし、心の中で干渉しないようにしてる部分はあるやろ』
「まあ、ね。でもそれでいいの」
『でも、好きなんやろ？』
「……神山くん。やめてください。」
『あ、あかんかった？ごめん。
あ！ほんまや！これ美味しい！』
「許した。」
彼は若干小悪魔なところがあるけど、
可愛いから許してしまう。そんな自分も馬鹿だけれど、
まるで天使みたいに可愛いし
図星を突かれてしまうから何も言い返せない。
「コタキチには言わないで、その……触られたこと」
『…………。わかったで』
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作者名：そば子 | 作成日時：2020年1月15日 11時
