<<読者様3000人記念>> Blue 【Jun Matsumoto】 第１章

10. ほろ酔い ページ10

ふぅ...まだ酔い冷めないや。


ほてった頬に手を当て
気休めに冷やしてみる。


午前中、仲のよい園ママ友達に
およばれして参加したお茶会。

....というと聞こえはいいけど
一人一品何か作って持ち寄り、
昼からお酒をいただこうという
趣旨の月１の定例会(笑)



年少の頃からのお付き合いだから
皆気心が知れていて。

彼女たちの存在も今の私には
とても大きくて支えになっている。

...もちろん、
こんな家庭の本当の状態までは
話せていないんだけど....


料理がおいしくて
思いのほか進んでしまったお酒。

もともとそんなに
強いほうじゃないから
セーブしたつもりだったんだけどな。


そのまま杏桜子をお迎えし、
天気もいいからと寄り道した
いつもの公園。

今日は私たちのほかには
まだ誰も来ていない。

いつもの仲良しメンバーは
私より飲んでたから
今日はもう現れないかな(苦笑)。


「ママー、これ登ろう♪」
「え？！う、うんっ(＞＜)」


まだ３分の１くらいは
残っている酔い。

でもそんなこと子供には
関係なくて(そりゃそうだ)。

一緒にジャングルジムに登ろうと
要求してきた杏桜子。




飛行機型のジャングルジム。

てっぺんは操縦席の形をしていて、
板が敷いてあるからあそこで少し
横になろうかな。


うっかり踏み外さないように
緊張しながら上がったジム。

さすがに杏桜子は早くて、
もう到着して上からニコニコしながら
私を見下ろしていた。


ほっと一息。

早速ゴロンと横になると
目の前にはどこまでもどこまでも
広がる秋の高い空。

雲がゆっくりと右から左へと流れ、
その表情を変えていく。


「いろんな形の雲だねー♪」


いつのまにか同じように
隣に寝転がってきた娘。


「ホントだねー(^^)ほら、あの雲、
　お魚みたいだよ」

「ほんとだー♪あ、ママ、
　あれはウサギさんみたい」


柔らかに頬をなでる風を感じながら
２人でしばし雲鑑賞会。

そのうちに飽きた娘は
私の足元で操縦ごっこを始めた。





....そうだ！



ポケットから携帯を取り出し、
フォルダから曲を選択。

このさわやかな青空にぴったり？の
「Everything」
(あれ、夏の曲だっけ？！(苦笑))
を小さくかけ、耳元に置いた。

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