<<読者様3000人記念>> Blue 【Jun Matsumoto】 第１章

41. 響いた声 ＜J side＞ ページ41

昨夜の雪はすっかり解けて。

朝起きると、まるで
夢だったのかなってくらい、
いつもと変わらない一日の始まり。


でもその方がよかった。
交通機関マヒしちゃったら
冬桜子さん、渋谷まで
出て来れなくなりそーだもんな。



初雪がかけてくれた魔法....？



思わず「会いたい」といった俺の言葉に
すぐにイエスと答えてくれた冬桜子さん。



これって...デート...
なんだよな..？

そう思ってもいいのかな...

冬桜子さんはどういうつもりで
オッケーしてくれたんだろう。




待ち合わせは１０：３０に
渋谷の大型CDショップ。

キメすぎんのもなんだし。

かといって男友達と
出かけんのとも違うし。

珍しく散々悩んで。

チェックのシャツ、ジーンズに
ブーツとカジュアルな感じで。

サングラスをかけ、
キャップを目深にかぶった。



地下駐車場に車を停め、
待ち合わせ１０分前にお店に到着。

開店直後だっていうのに
結構人がいて驚いた。

でも場所柄、皆静かに
CD選んだり試聴したり。


冬桜子さんはまだ来てない。

時間つぶしに店内を見てまわってると
俺たちのCD発見(笑)

これはしっかりチェック。

なかなかいい調子で売れてるじゃん♪
思わず嬉しくなり、顔がほころぶ。


そういえばこういうとこ来るのも
すげぇ久しぶりだな。

そうしてるうちに
いつしか段々真剣になり、
選び始めてしまっていた俺。



サングラスをずらして
ジャケットに見入っていたその時、
ふと視線に気がついて目を向けると
そこには青い目の、金髪の女の子が
俺を見つめて立っていた。

小学生...くらい？

目が合うと、
すっと俺を指差して、
流暢な言い回しで。




「アラーシー？」



と一言。




その姿と言い方が
なんだかかわいらしくて。
思わず「Yes」と答えてしまったら。

と同時に少しずつ
ザワザワし始める店内。



ヤベ☆意外に声、
響いていたかも....

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