87. 優しい声 ページ39
自分にそう気を入れ直して。
ゆるく続く坂道を
降りて行こうとしたその時。
前方のわき道に一台の大きな車が
停まっているのに気がつく。
運転席で黒い影が動いたよう。
人はいるみたい。
よく見えないけどサングラスかけてる
男の人のような....
やだな。なんか怖い...
でも横を通らないとコンビニに行けない。
.......よしっ。
何かあったらすぐ助けを呼べるように
携帯をギュッと握りしめて歩き出す。
胸の鼓動がドキドキと
変な風に高鳴りだす。
その車まであと５メートルほど。
運ぶ足に緊張が走ったその時。
携帯がぶるぶると着信を知らせて震えだす。
あ、マナーモードにしたままだ。
え、.あ.....潤くっ！！
その瞬間、車のことなんて
すっかり頭から飛んで。
別の緊張が一気に張りつめる。
あんなに連絡がほしいと思っていたのに。
いざ来ると電話に出るのが怖い...っ
躊躇している間にも。
携帯は鳴り続けている。
早く出なくちゃ....でも怖い.....
でも....
意を決して次の瞬間、
私は通話ボタンを押した。
「....も、もしもし...？」
「A？今、大丈夫？」
「う、うん、もう仕事終わって。
今、買い出しに外に出たところで...」
「そっか。一日お疲れ(^^)」
「あ...」
電話の声は。
いつもの優しい潤くんで。
ずっと聞きたかった声で。
あんな風に言い合って別れたのに。
そんなことまるでなかったみたいな
変わらない音色で....
その瞬間、張りつめていた糸が
ぷつんと切れて。
堰を切ったように
涙がポロポロあふれだす。
「....っく....っ」
だめ...っ....こんな風に泣いたら。
また潤くんを心配させるのに...っ
困らせちゃうのに...っ
でも...止まらないの。
後から後からとめどなく涙が
頬を伝っていく。
あわてて受話口に手をあてて
声が聞こえないようにするけれど。
「...A？」
様子が変な私にすぐに気づいて
潤くんが心配そうな声で名前を呼ぶ。
「...っ、ご、ごめんね、
なんでもないのっ...っ」
一生懸命そう取りつくろったけど。
それ以上もう声にならなくて。
思わずぱっと携帯を耳から離して。
その場でしゃがみこんでしまう。
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かこ(プロフ) - minamiさん» きゃーんっ(//∇//)ありがたいお言葉を♪ありがとうございます(*^^*)名前変換魅力で気軽に始めたつくーる、今では私の生活の大切な一部に。これからもどうぞよろしくお願いします(///∇///) (2015年5月24日 21時) (
レス) id: ae2a9fb09b (このIDを非表示/違反報告)
minami(プロフ) - かこさん。6周年おめでとうございます！そしてツクールに来て下さってありがとうございます！いつもキラッキラ＆きゅんきゅん作品ありがとうございます☆ (2015年5月24日 20時) (レス) id: 3ef49521b0 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - モノクロさん» ありがとうーー！！気がつけば７年目。妄想の種が枯渇するまで進み続けていこうと思います。ついに最終章へ入ります。スタートか甘甘だけど驚かないでね(笑)(*^^*) (2015年5月24日 8時) (レス) id: 1c4ce8f51d (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - (*ノ▽ノ)(*ノ▽ノ)(*ノ▽ノ) ああ…生殺されました笑 笹森くんと潤くんがしっかりと握手をするところ、ぐっと来ました(*´∇｀*) 明日以降も楽しみにしてます(*ノ▽ノ) そして！六周年おめでとうございます(^-^) これからも素敵なお話作って下さい♪ (2015年5月23日 15時) (レス) id: fe40c0e409 (このIDを非表示/違反報告)
かこ(プロフ) - mikitiyさん» ありがとうございます(*^^*)気がつけばそんなにも経っていました(笑)これからもどうぞよろしくです。 (2015年5月23日 13時) (レス) id: ae2a9fb09b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かこ
| 作成日時：2015年4月15日 16時
